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行政事件 裁判例集

事件番号

 平成9(行コ)151

事件名

 相続税課税処分取消請求控訴事件(原審・東京地方裁判所平成8年(行ウ)第115号)

裁判年月日

 平成11年8月30日

裁判所名

 東京高等裁判所

分野

 行政

判示事項

 相続税の更正後に同更正の税額を上回る額の修正申告がされた場合における前記更正の取消しを求める訴えが,訴えの利益がないとして,不適法とされた事例

裁判要旨

 相続税の更正後に同更正の額を上回る税額の修正申告がされた場合における前記更正の取消しを求める訴えにつき,本税に関しては,前記更正の効力が前記修正申告の効力の中に吸収されて一体になるため独立の存在意義を失うものと解するのが相当であるから,納税者の前記更正の取消しを求める訴えの利益は失われ,また,延滞税に関しても,仮に前記更正が取り消されても,前記修正申告前後における納付すべき各税額の差額に対する法定納期限の翌日から完納までの期間についての延滞税を納付しなければならないから,前記更正の取消しを求める訴えの利益はないというべきである上,前記更正を取り消すことにより軽減税率の適用を受けるという利益が得られるとしても,その利益は前記修正申告の存在を前提にすることによって初めて観念し得るものであって,前記更正によって侵害された利益が回復されたという関係には立たないというべきであるから,軽減税率の適用を受けるという利益を得るために前記更正の取消しを求める訴えの利益を認めることはできないとして,前記訴えを不適法とした事例

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