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行政事件 裁判例集

事件番号

 平成7(行ウ)232

事件名

 消費税更正処分取消請求事件

裁判年月日

 平成9年8月28日

裁判所名

 東京地方裁判所

分野

 行政

判示事項

 医薬品の現金卸売業を営む事業者について,課税仕入れの税額の控除に係る帳簿又は請求書等に記載された仕入れの相手方の氏名又は名称のうち仮名と認められる仕入取引に係る消費税額の控除を認めないとしてした消費税の更正が,適法とされた事例

裁判要旨

 医薬品の現金卸売業を営む事業者について,課税仕入れの税額の控除に係る帳簿又は請求書等に記載された仕入れの相手方の氏名又は名称のうち仮名と認められる仕入取引に係る消費税額の控除を認めないとしてした消費税の更正につき,消費税法(平成6年法律第109号による改正前。以下同様)30条1項所定の事業者の課税仕入れの税額の控除は,取引の各段階で消費税が課税され,税負担が累積することを防止するためのものであるが,同条7項は,課税仕入れに係る適正かつ正確な消費税額を把握するため,換言すれば真に課税仕入れが存在するかどうかを確認するために,同条1項の適用要件として,課税仕入れに係る帳簿等を保存することを要求していることなどからすると,同法は,課税仕入れに係る消費税額の調査,確認を行うための資料として同帳簿等の保存を義務付け,同帳簿等の保存を欠く課税仕入れに係る消費税額についてはその控除をしないこととしたものと解されるとした上,同条8項の文言及び同条7項の趣旨からすれば,同法は,同帳簿等には真実の仕入れ先の氏名又は名称を記載することを要求しているというべきであり,前記事業者の仕入帳等のうち課税仕入れの相手方の氏名等として仮名を記載した部分は同項の帳簿等に当たらないなどとして,前記更正を適法とした事例

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