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行政事件 裁判例集

事件番号

 平成5(行コ)25

事件名

 無申告加算税賦課処分取消請求控訴事件

裁判年月日

 平成5年11月19日

裁判所名

 大阪高等裁判所

分野

 行政

判示事項

 1 共同相続人間に相続財産の範囲,遺贈の効力等につき争いがあるため,相続財産の全容が把握できない場合であっても,相続財産が基礎控除額を超えることを相続人が認識し得るときには,相続税申告義務を免れないから,国税通則法(昭和62年法律第96号による改正前)66条1項ただし書にいう「正当な理由」があるとは認められないとして,無申告加算税賦課処分の取消請求を棄却した事例 2 相続人が相続税の基礎控除額を超える相続財産を認識することができたにもかかわらず期限内に相続税の申告をしなかった場合において無申告加算税算出の基礎となる「納付すべき税額」の範囲

裁判要旨

 1 共同相続人間に相続財産の範囲,遺贈の効力等につき争いがあるため,相続財産の全容を把握することができない場合であっても,国税通則法19条,23条,相続税法31条,32条が後日の修正申告又は更正請求を許容していることに照らすと,判明した範囲で相続税の申告をすることが予定されているものと解され,判明した相続財産が相続税の基礎控除額を超えることを相続人が認識し得るときには,その申告義務を免れないというべきであるから,期限内申告書の提出がなかったことについて国税通則法(昭和62年法律第96号による改正前)66条1項ただし書にいう「正当な理由」があるとは認められないとして,無申告加算税賦課処分の取消請求を棄却した事例 2 相続人が,相続財産の全容を把握できないものの,少なくとも相続税の基礎控除額を超える相続財産を認識することができた場合において,期限内に相続税の申告をしなかったときには,相続人において認識できなかった残余の相続財産を含む全相続財産に係る相続税額を国税通則法(昭和62年法律第96号による改正前)66条1項にいう「納付すべき税額」として,無申告加算税を算出すべきである。

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