昭和42(行ウ)141

 行政処分取消請求事件

 昭和46年3月29日

 東京地方裁判所

 行政

 １　出入国管理令第４９条第１項による異議申出を棄却した法務大臣の裁決の取消しを求める訴えにおいて，法務大臣の固有の権限に属する在留の特別許可に関する判断についての瑕疵を除き，入国審査官の認定に関する瑕疵を違法事由として主張することは，行政事件訴訟法第１０条第２項に照らし許されないとした事例　２　出入国管理令第５０条第１項の在留の特別許可に関する判断が違法とされる場合　３　出入国管理令第４９条第１項の異議の申出を棄却した法務大臣の裁決が，事実誤認による裁量権の逸脱があるとして違法とされた事例

 ２　出入国管理令第５０条第１項の在留の特別許可に関する判断は，法務大臣の自由裁量に属し，その裁量の範囲はきわめて広いが，全く無制限に認められるものではなく，その裁量がはなはだしく人道に反しあるいは著しく正義の観念にもとるといった例外的な場合には，裁量権の逸脱ないし濫用があったものとして違法となるものといわなければならない。

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