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行政事件 裁判例集

事件番号

 平成18(行ケ)2

事件名

 裁決取消請求事件

裁判年月日

 平成18年11月6日

裁判所名

 高松高等裁判所

分野

 行政

判示事項

 1 市議会議員選挙において,「バンド ヒゲ」と記載された票が,候補者坂東成光に対する有効投票と認められた事例 
2 市議会議員選挙において,「板東」「ばんろう」「ばんとう」と記載された票が,候補者坂東成光に対する有効投票と認められた事例

裁判要旨

 1 市議会議員選挙において,「バンド ヒゲ」と記載された票につき,候補者坂東成光が「ヒゲ」を市議会議員又は理髪業者として日常生活を営む上でいわゆるトレードマークとして活用しており,その結果市内の多くの市民の間において「ヒゲ」は前記候補者の通称となっていたものと認められるから,前記票は,前記候補者の氏名の一部である「バンド」と同人の通称である「ヒゲ」を併せて記載したものと認められ,公職選挙法68条1項6号本文の「候補者の氏名」の一種を記載したものであって「他事を記載したもの」ではなく,同法67条により「その投票した選挙人の意思が明白」である場合に該当するとして,前記票を前記候補者に対する有効投票と認めた事例 
2  
市議会議員選挙において,「板東」「ばんろう」「ばんとう」と記載された票につき,「板東」は候補者坂東成光の氏「坂東」を誤記したものであり,また,前記選挙の候補者の中には「ばんろう」又は「ばんとう」という氏又は名を有する候補者は存在せず,「ばんろう」及び「ばんとう」はいずれも前記候補者の氏の平仮名表記「ばんどう」と字数を同じくし,4文字中3文字までが一致していること,それぞれ3文字目の「ろ」又は「と」と「ど」とは共に母音を同じくし,字音が似ていることから,全体として見た場合に「ばんろう」及び「ばんとう」と「ばんどう」には類似性が認められることに加えて,「ばんとう」票については,「ばんどう」の「ど」の濁点が脱落したものと認めることができること及び「東」は「とう」と読むこともできることにも照らすと,これらの票は,いずれも選挙人が前記候補者に投票する意思を持って,誤った記憶又は誤記により「ばんろう」及び「ばんとう」と記載したものと解することができるとして,前記各票をいずれも前記候補者に対する有効投票と認めた事例

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