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行政事件 裁判例集

事件番号

 平成18(行コ)42

事件名

 課税処分取消請求控訴事件(原審・東京地方裁判所平成11年(行ウ)第171号)

裁判年月日

 平成18年9月28日

裁判所名

 東京高等裁判所

分野

 行政

判示事項

 税務署長が類似同業者の平均所得率等による推計の方法により課税標準額を算出してした所得税及び消費税の更正等(異議決定及び裁決により一部取り消された後のもの)について,国税不服審判所長が,前記抽出された者のうち,特定の業者について同業者としての類似性を否定して前記課税処分を一部取り消す旨の裁決をした場合に,前記一部取り消された後の課税処分の取消請求が,前記裁決において業態が異なるとして類似性を否定された業者を類似同業者から除外して計算した範囲で一部認容された事例

裁判要旨

 税務署長が類似同業者の平均所得率等による推計の方法により課税標準額を算出してした所得税及び消費税の更正等(異議決定及び裁決により一部取り消された後のもの)について,国税不服審判所長が,前記抽出された者のうち,特定の業者について同業者としての類似性を否定して前記課税処分を一部取り消す旨の裁決をした場合に,前記一部取り消された後の課税処分の取消請求につき,同業者としての類似性を否定した前記裁決の理由中の判断は,前記課税処分を一部取り消した前記裁決の結論に直結した判断であるところ,前記取消請求に係る訴訟において,前記裁決で同業者の類似性を否定された同業者を類似同業者に含めて所得又は売上高の推計を行う主張を許し,これが採用されれば,一個の課税処分の違法性の有無の公権的判断において特定の業者について同業者としての類似性の判断が矛盾することを認めることになり,また,国税不服審判所長のする裁決は行政内部における最終判断であり,これに原処分庁が不服であるからといって前記主張をすることは,国民一般の税務行政の統一性,一貫性についての信頼を損なうものであることからすると,前記主張は許されないとした上,前記裁決で同業者の類似性を否定された同業者を除外して計算した範囲で,前記請求を一部認容した事例

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