裁判例結果詳細
行政事件 裁判例集
- 事件番号
平成18(行ウ)20
- 事件名
文書不開示処分取消及び文書開示処分給付請求事件
- 裁判年月日
平成19年12月6日
- 裁判所名
広島地方裁判所
- 分野
行政
- 判示事項
農薬取締法2条に基づく農薬登録申請時に提出された試験成績の利用権の帰属に関する情報が記載された文書の開示請求に対し,その存否を答えるだけで行政機関の保有する情報の公開に関する法律5条2号イ所定の不開示情報(法人等情報)を開示することになるとして,同法8条に基づき農林水産大臣がした不開示決定が,適法とされた事例
- 裁判要旨
農薬取締法2条に基づく農薬登録申請時に提出された試験成績の利用権の帰属に関する情報が記載された文書の開示請求に対し,その存否を答えるだけで行政機関の保有する情報の公開に関する法律5条2号イ所定の不開示情報(法人等情報)を開示することになるとして,同法8条に基づき農林水産大臣がした不開示決定につき,農薬の開発には莫大な期間ないしコストを要することから農薬の試験成績は極めて重要な財産的価値を有するといえ,その帰属のいかんは農薬登録申請者や試験成績の帰属主体の経営を左右する重要な経営情報であるところ,試験成績の帰属に関する情報が公になれば,農薬の登録申請者等が当該農薬の登録に必要な試験成績を保有しているかどうか,当該試験成績の利用権をどのようにして入手したかといった経営上重要な情報が明らかとなり,その競争上の地位が低下することによる打撃は甚大なものになり得るし,試験成績の帰属に関する情報が一般に公開されているものではないこと等を踏まえれば,同情報を企業秘密として保持することは法的に保護された正当な利益であって,単なる事実上の期待にとどまるものではないから,前記情報は同法5条2号イ所定の不開示情報(法人等情報)に該当し,前記文書の存否を答えるだけで前記不開示情報を開示することになるとして,前記不開示決定を適法とした事例
- 全文