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事件番号
 平成18(行ウ)10
事件名
 生活保護費徴収処分取消請求事件
裁判年月日
 平成20年2月4日
裁判所名
 札幌地方裁判所
分野
 行政
判示事項
 生活保護受給者が受給中に借入れをしたのに,その収入を申告せず,不正に生活保護費を受給したとしてされた,生活保護法78条に基づく徴収処分の取消請求が,棄却された事例
裁判要旨
 生活保護受給者が受給中に借入れをしたのに,その収入を申告せず,不正に生活保護費を受給したとしてされた,生活保護法78条に基づく徴収処分の取消請求につき,同法4条1項にいう「その利用し得る資産,能力その他あらゆるもの」及び同法8条1項にいう「その者の金銭又は物品」とは,被保護者が,その最低限度の生活を維持するために活用することができる一切の財産的価値を有するものを含むと解され,同法はこれらについて特に限定をしておらず,将来返済が予定されている借入金についても,当該借入れによって,被保護者の最低限度の生活を維持するために活用可能な資産は増加するのであるから,保護受給中に被保護者が借入れをした場合,これを原則として収入認定の対象とすべきであるとした上で,生活保護行政の実務においては,一定の例外が設けられ,収入として認定する場合の具体的指針や収入として認定しない一定の公的扶助や貸付金等を定め,貸付けを受けるについて保護の実施機関の事前の承認があること等を要件としているが,前記の生活保護受給者は借入れに当たって,保護の実施機関の事前の承認を得ていないことなどから,これが収入認定から除外される対象となる借入れ等に当たらないことは明らかであること,また,同法78条にいう「不実の申請その他不正な手段」とは積極的に虚偽の事実を申告することのみならず,消極的に本来申告すべき事実を隠匿することも含まれると解されるところ,前記の生活保護受給者はケースワーカーから説明を受けたにもかかわらず,借入れ等の事実を申告しないまま保護を受けていたことが認められること,さらに,同法78条の費用徴収は,主として保護の費用を支弁した都道府県又は市町村の財政支出の適正という見地から,保護の費用を支弁した都道府県又は市町村の長が,損害追徴としての性格を有する徴収額を決定して実施するものであると解され,保護の目的達成という見地からの配慮の要請は必ずしも強くはなく,徴収額の決定に当たっても,被保護者の資力を考慮することを要しないものであり,裁量権の逸脱,濫用も認められないことから,前記徴収処分は適法であるとして,前記請求を棄却した事例
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