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行政事件 裁判例集

事件番号

 平成20(行コ)20

事件名

 損害賠償請求行為請求控訴事件(原審・京都地方裁判所平成16年(行ウ)第42号)

裁判年月日

 平成20年10月14日

裁判所名

 大阪高等裁判所

分野

 行政

判示事項

 市が行う教育研究事業に関し,市の教職員との間で雇用契約とは別に研究委託契約を締結し,委託費を支出したことが,給与条例主義に反し違法であるとされた事例

裁判要旨

 市が行う教育研究事業に関し,市の教職員との間で雇用契約とは別に研究委託契約を締結し,委託費を支出したことにつき,地方公共団体が職員個人が行った事務の対価として金員の支出を行う場合には,その支出がたとえ必要な経費の実費補填という趣旨であり,そのような形式が採られていたとしても,当該支出対象が「給与その他の給付」の対象である当該公務員の職務と区別されていない場合には,給与条例主義を潜脱する実質給与ないし手当を給付するものとして,地方自治法204条の2に違反する違法な支出というべきであるとした上,前記事業の実施に際して,対象教職員の職務と委託事業が明確に区別されずに前記委託契約が締結されていることは明らかであり,前記事業の運用状況からすれば,前記事業は,教員の給与,手当及び旅費の支給対象となる本来的業務との区別が困難な委託事務について,条例で定められた報酬及び経費の支出方法以外の方法である委託契約を直接教職員と締結する方法により委託料名目で支出したものと認めざるを得ず,前記支出は,結果的に対象教職員の勤務に対する報酬と区別し難く,給与条例主義を定めた同法204条の2に反し違法であるとした事例

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