裁判例検索

裁判例結果詳細

行政事件 裁判例集

事件番号

 平成20(行コ)58

事件名

 納税告知処分取消等請求控訴事件(原審・大阪地方裁判所平成17年(行ウ)第236号)

裁判年月日

 平成20年9月10日

裁判所名

 大阪高等裁判所

分野

 行政

判示事項

 法人の使用人が株式会社の監査等に関する商法の特例に関する法律(平成17年法律第87号による廃止前)21条の5第1項4号の執行役に就任するに当たり,前に法人が前記使用人に支給した退職金に係る所得が,所得税法28条1項の「給与所得」ではなく,同法30条1項の「退職所得」に当たるとされた事例

裁判要旨

 法人の使用人が株式会社の監査等に関する商法の特例に関する法律(平成17年法律第87号による廃止前。以下「特例法」という。)21条の5第1項4号の執行役(以下「執行役」という。)に就任するに当たり,前記法人が支給した退職金に係る所得につき,前記使用人は前記法人との間の雇用契約を合意解約し,執行役に就任したものであるところ,執行役は,その地位が大規模会社の経営にかかわる機関であり,それに伴う特別の責任規定が設けられているなど使用人とは異なる法規制を受けること,前記就任による身分関係の異動は,形式的,名目的なものではなく,勤務関係の性質,内容,労働条件等において重大な変動があるものであり,形式的には継続している勤務関係が実質的には単なる従前の勤務関係の延長とは見られないなどの特別の事実関係が認められることからすると,前記所得は,新たな勤務関係に入ったことに伴い,それまでの使用人としての継続的な勤務に対する報償又はその間の労務の対価を一括精算する趣旨のもとに一時金として支給されたものであるといえるから,少なくとも所得税法30条1項にいう「これらの性質を有する給与」に当たり,同法28条1項の「給与所得」ではなく同法30条1項の「退職所得」に当たるとした事例

全文