平成22(行ウ)615

 損害賠償等(住民訴訟)請求事件

 平成25年1月23日

 東京地方裁判所

 行政

 住民訴訟の係属中にされたその請求に係る村の損害賠償債権を放棄する旨の村議会の議決が違法であり，当該放棄が無効であるとされた事例

 村が非常勤の職員に報酬及び費用弁償以外の手当等を支給したことが地方自治法に違反するなどとして提起された住民訴訟の一部を認容する控訴審判決の言渡し後，上告受理申立て中にされたその請求に係る村長個人に対する損害賠償債権を放棄する旨の同村村議会の議決は，当該債権の発生原因である賃金の支払の違法事由について同村長として相応の配意をすれば容易に認識に至ることができたこと，同賃金の支出が同村の財政に及ぼす影響は否定することができない程度のものであったこと，前記放棄は，前記控訴審判決における事実認定等を不服とするものであり，又は少なくともこれを尊重する趣旨に出たものとはいい難いこと，その後に確定した前記控訴審判決における事実認定及び法的評価に照らし，その基礎とされた重要な事実に誤認があったこと等諸般の事情を総合考慮すると違法であり，当該放棄は無効であるとした事例

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