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事件番号
 平成26(行ウ)460
事件名
 課徴金納付命令取消請求事件
裁判年月日
 平成29年1月13日
裁判所名
 東京地方裁判所
分野
 行政
判示事項
 1 会社の取締役兼代表執行役が,公募増資を行うことについて,金融商品取引法166条2項1号にいう「業務執行を決定する機関」に当たるとされた事例
2 会社の取締役兼代表執行役が,公募増資に必要な準備を開始するよう担当部下に指示する行為が,金融商品取引法166条2項1号にいう公募増資を「行うことについての決定」に当たるとされた事例
3 会社と法律顧問契約を締結していた弁護士が,会社の業務執行を決定する機関が公募増資を行うことについての決定をしたことを「知った」(金融商品取引法166条1項4号)ものとされた事例
裁判要旨
 1 会社の取締役兼代表執行役が,会社の職務分掌規程において業務執行の最高責任者とされ,実際の業務運営においても各部署の担当案件の重要事項につきその了承を得ることとされており,公募増資(会社の発行する株式及びその処分する自己株式を引き受ける者の募集)が会社の取締役会において可決されることが相当程度の蓋然性をもって見込まれる状況にあるなどの判示の事情の下においては,当該取締役兼代表執行役は,当該公募増資を行うことについて,実質的に会社の意思決定と同視されるような意思決定を行うことのできる機関として,金融商品取引法166条2項1号にいう「業務執行を決定する機関」に当たる。
2 上記1の取締役兼代表執行役が,公募増資に必要な準備を開始するよう担当部下に指示する行為は,それが公募増資の形態や引受方式,調達金額や実施時期,実施までのスケジュール案等を具体的に示した証券会社からの提案に基づくものであり,当該指示以降,会社において,当該公募増資に係る情報が金融商品取引法166条1項に規定する重要事実に該当するとの認識の下で,情報の管理が厳重に行われているという事情の下においては,公募増資の実現を意図して,当該公募増資及びそれに向けた作業等を会社の業務として行う旨の決定をしたものとして,同条2項1号にいう公募増資を「行うことについての決定」に当たる。
3 会社と法律顧問契約を締結していた弁護士が,会社の公募増資に係る有価証券届出書の記載事項についての相談を受ける際に会社から交付を受けた資料の中に,会社が公募増資の実施を予定している旨や,取締役会決議,有価証券届出書の提出等の具体的な日取り等のスケジュール案が記載されていることを確認したという事実関係の下においては,当該弁護士は,その確認によって,会社の業務執行を実質的に決定することのできるいずれかの機関において当該公募増資を行うことを実質的に決定したことを少なくとも未必的には認識したものとして,当該決定を「知った」(金融商品取引法166条1項4号)ものといえる。
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