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事件番号
 平成28(行ウ)288
事件名
 退去強制令書発付処分取消等請求事件
裁判年月日
 平成29年6月16日
裁判所名
 東京地方裁判所
分野
 行政
判示事項
 中国残留邦人3世の中華人民共和国国籍の女性と婚姻関係にある同国国籍の男性について,出入国管理及び難民認定法50条1項に基づき在留特別許可をしないで同法49条1項の異議の申出には理由がないとした地方入国管理局長の裁決が取り消された事例
裁判要旨
 中華人民共和国国籍の男性が,「投資・経営」の在留資格で本邦に在留中に傷害事犯を起こした後,中国残留邦人3世で「定住者」の在留資格で本邦に在留する同国国籍の元妻と再婚して「定住者」の在留資格への在留資格変更許可を受け,傷害事犯につき執行猶予付き懲役刑判決の確定後,在留期間更新申請を不許可とされたが,その後も本邦に滞在したとして不法残留の退去強制事由を認定され,口頭審理を経て,出入国管理及び難民認定法50条1項に基づく在留特別許可をしないで同法49条1項の異議の申出には理由がない旨の地方入国管理局長の裁決を受けた事案について,以下の(1)ないし(4)などの事情の下では,同裁決に際して同男性の在留を特別に許可しないとした判断は,全く事実の基礎を欠くというべき部分や,事実に対する評価が明白に合理性を欠くというべき部分があり,社会通念上著しく妥当性を欠くものであったことが明らかで,同裁決には裁量権の範囲をこえ又はその濫用がある違法があったとして,これが取り消された事例
(1) 同男性は,在留期間を遵守して適法な在留資格を得ようとする意思はあったものと認められ,その不法残留は,在留資格制度を軽視したものとはいえず,強い悪質性があるとまでいうのは困難である。
(2) 同男性の傷害事犯の犯情は悪質で,当時の在留状況が良好であるとはいえないと判断されたとしても不合理であったとはいえないが,傷害事犯後,それ以前とは価値観や人生観,生活態度を根本的に変容させて粗暴傾向が有意に減退していたにもかかわらず,同裁決においてこれを適切に認定していなかったことがうかがわれる。
(3) 同男性の妻との再婚が傷害事犯を契機とするもので再婚後裁決通知までの期間が3年に満たないとしても,再婚後の婚姻関係は,同男性が家族優先の価値観を持つに至ったことを妻が評価するなどして,夫婦相互に家族としての重要性を再認識するに至っていて,離婚前の10年間の婚姻期間中よりも強固な信頼関係に支えられたものに昇華していることがうかがわれ,真摯で安定かつ成熟した夫婦関係として評価すべきものと考えられ,当該再婚が在留資格変更申請を有利に進めることを目的としたものにとどまると評価することは合理的とはいえない。
(4) 同男性夫婦間の実子らは,中華人民共和国国籍ではあるが,本邦で出生,成育し,専ら日本語で公教育を受けてきていて現に中等教育機関に在学し,同男性も,本邦への定着性が高い中,離婚し別居していた期間を除きこれらの子を扶養,監護してきているところ,今後,子らが本国で継続的に生活することは現実的ではないという側面が強い。
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