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昭和四十五年四月二十五日最高裁判所規則第二号
改正 昭和五五年五月六日最高裁判所規則第三号
都市再開発法による権利の変換と強制執行等との調整に関する規則を次のように定める。
都市再開発法による権利の変換と強制執行等との調整に関する規則
(この規則の趣旨)
第一条 強制執行、仮差押えの執行又は担保権の実行としての競売(その例による競売を含む。以下単に「競売」という。)に関し、都市再開発法(昭和四十四年法律第三十八号。以下「法」という。)による権利の変換との調整については、法に定めるもののほか、この規則の定めるところによる。
(昭五五最裁規三・一部改正)
(権利変換手続が強制競売等の手続に先行する場合における施行者への通知等)
第二条 土地、建築物又は土地に関する権利(以下「土地等」という。)について強制競売又は競売(以下「強制競売等」という。)の開始決定に基づく登記がされた場合において、当該土地等について法第七十条第一項の権利変換手続開始の登記(以下「権利変換手続開始の登記」という。)がされているときは、裁判所書記官は、速やかに、強制競売等の開始決定がされた旨を当該市街地再開発事業の施行者に通知しなければならない。ただし、民事執行法(昭和五十四年法律第四号)第四十七条第一項(同項を準用し、又はその例による場合を含む。)の規定による開始決定に基づいて登記がされたときは、この限りでない。
2 前項の強制競売等の開始決定をした裁判所は、権利変換手続が終了するまで、強制競売等の手続を留保することができる。
(昭五五最裁規三・一部改正)
(強制競売等の手続が権利変換手続に先行する場合における差押債権者等への通知等)
第三条 強制競売等の開始決定に基づく登記がされた土地等について権利変換手続開始の登記がされた旨の施行者の通知があつたときは、裁判所書記官は、速やかに、その旨を差押債権者、債務者及び所有者(不動産とみなされるものにあつては、その権利者。以下同じ。)に通知しなければならない。
2 裁判所は、前項の施行者の通知を受けたときは、権利変換手続が終了するまで、強制競売等の手続を留保することができる。
(昭五五最裁規三・一部改正)
(施行者に対する代金納付等の通知)
第四条 権利変換手続開始の登記がされている土地等について、強制競売等による代金が裁判所に納付されたときは、裁判所書記官は、速やかに、買受人の氏名及び住所を明らかにして、その旨を施行者に通知しなければならない。
2 前項の土地等について、法第九十四条第一項の規定により裁判所に補償金等が払い渡される前に、強制競売等の手続が売却を許可することなく終了したときは、裁判所書記官は、速やかに、その旨を施行者に通知しなければならない。
(昭五五最裁規三・一部改正)
(補償金等が払い渡された場合の処置)
第五条 法第九十四条第一項の規定により裁判所に補償金等が払い渡されたときは、裁判所書記官は、交付を受けた金額及び交付を受けた年月日を記録上明らかにしなければならない。
2 前項に規定する場合においては、裁判所書記官は、速やかに、補償金等が払い渡された旨を差押債権者、債務者、所有者及び買受人に通知しなければならない。
(昭五五最裁規三・一部改正)
(留置権者等に対する配当等)
第六条 法第九十四条第一項の規定により裁判所に補償金等が払い渡された場合において、権利喪失通知書により、その補償金等のうちに留置権者その他強制競売等により消滅し、又はその取得が効力を失う権利以外の権利を有する者に対する補償が含まれていることが認められるときは、これらの者に対しても配当等(民事執行法第八十四条第三項に規定する配当等をいう。以下同じ。)を実施しなければならない。
2 前項の規定により留置権者に対して配当等を実施する場合においては、留置権によつて担保される債権は、他の債権に優先するものとする。
(昭五五最裁規三・一部改正)
(留置権者が計算書を提出しない場合の効果等)
第七条 民事執行規則(昭和五十四年最高裁判所規則第五号)第六十条の計算書を提出しない留置権者に対する配当等の実施については、留置権によつて担保される債権がないものとみなす。
2 留置権者が前項の計算書を民事執行規則第六十条に規定する期間内に提出したときは、裁判所書記官は、速やかに、その内容を債務者及び所有者に通知しなければならない。
(昭五五最裁規三・一部改正)
(裁決に基づいて払い渡された補償金等の取扱い)
第八条 第五条及び第六条の規定は、法第九十四条第四項の規定に基づいて裁判所に払い渡された補償金等について準用する。
2 法第九十四条第五項の規定による通知がされたときは、裁判所に払い渡された補償金等のうち施行者の見積り金額を超える額については、法第八十五条第三項において準用する土地収用法(昭和二十六年法律第二百十九号)第百三十三条第一項に規定する期間の満了後七日を経過するまでの間、配当等を実施しないものとする。七日を経過するまでの間に、施行者が法第八十五条第三項において準用する土地収用法第百三十三条第一項の規定による訴えを提起したことを証明する書面が提出されたときは、当該訴訟が完結し、その訴訟の結果を証明する書面が提出されるまでの間も、同様とする。
3 前項後段の場合において、配当等を実施すべきこととなつたときは、裁判所は、訴訟の結果により配当等を実施すべきこととなつた金額を差し引いた残余を施行者に返還しなければならない。
(昭五五最裁規三・一部改正)
(仮差押えに係る権利に対する補償金等の取扱い)
第九条 法第九十四条第六項の規定に基づいて裁判所に払い渡された補償金等については、仮差押えの執行に係る権利を他の債権のための強制執行により換価した場合における換価代金とみなして、第五条から前条までの規定を準用する。
(昭五五最裁規三・一部改正)
(判決に基づいて払い渡された補償金等の取扱い)
第十条 第五条、第六条及び前条(第七条及び第八条の規定を準用する部分を除く。)の規定は、法第九十四条第七項の規定に基づいて裁判所に払い渡された補償金等について準用する。
(昭五五最裁規三・一部改正)
附則
この規則は、公布の日から施行する。
附則(昭和五五年五月六日最高裁判所規則第三号)抄
(施行期日)
1 この規則は、民事執行法(昭和五十四年法律第四号)の施行の日(昭和五十五年十月一日)から施行する。