裁判員裁判関係施設

 岡山地方裁判所の裁判員裁判関係施設をご紹介します。

1. 裁判員候補者待機室

 裁判員候補者の皆さんが最初に集合していただく部屋です。
 ここでは,事件の概要説明や質問手続といった裁判員を選任する手続が行われます。

 質問手続は,辞退に関することや不公平な裁判をすることがないかを確認する質問を裁判長から行う手続で,まずこの部屋で,全員一緒に同じ質問を行います(一括質問)。その後,希望者や個別に事情を伺った方がよいと裁判長が判断した方について,隣にある質問手続室で個別に事情を伺う流れになります。よって,個人により待ち時間が異なってまいりますので,その待ち時間を少しでも快適に過ごしていただくために,お茶,雑誌類をご用意しています。また,希望者には使用する裁判員裁判用法廷の見学会などを実施しています。

2. 質問手続室

 個別に事情を伺う場合に使用します。
 ここでは,事前の調査票や質問票に記載した事情だけでは辞退事由があると認められなかった方も,その時点での具体的な事情を改めて話すことができます。

 なお,質問をする裁判長の他には,事件を担当する裁判官2人と裁判所書記官に加え,検察官と弁護人も立ち会います。

3. 裁判員裁判用法廷

 選ばれた裁判員は,法廷で行われる審理に立ち会っていただきます。
 岡山地方裁判所には,1階に100号法廷,2階に203号法廷と裁判員裁判用の法廷が2つあります。

地図:裁判員裁判用法廷

法壇(ほうだん)


 裁判員裁判用法廷の法壇は,裁判員6人と裁判官3人が並んで座れるよう左右に大きく広がっています。そして,その形は裁判員らがお互いの顔を見て意思疎通ができるように湾曲をつけたアーク型になっています。

 実際には,真ん中の3席に裁判官3人が座り,裁判官を囲むように6人の裁判員が左右に3人ずつ座ります。後ろの席は,補充裁判員の席になります。

写真:法壇

法廷内の設備

 裁判員裁判用法廷には,書画カメラやタッチパネル式モニターが整備されています。
 これらのOA器機を利用して,検察官や弁護人が,例えば事件現場の状況などを図や写真を示しながら説明することもあります。

書画カメラ

 提出された書面をその場で裁判員,裁判官,検察官,弁護人の席に設置されたモニターや壁面に設置された大型ディスプレーに映し出し,見てもらうことができます。

写真:書画カメラ

タッチパネル式モニター

 証人席のタッチパネル式モニターを使って,次のようなこともできます。
 たとえば,検察官が証人に,暴走している車を目撃したときの様子について質問している場面を想定してみましょう。

(検察官)

車を見たときに,あなたはどこにいたのですか?
目の前にある画面に,ペンで丸印を付けてみてください。

(証人)

確か,ここだったと思います。

写真:専用ペンを使って画面上に〇印を付ける

(証人)

猛スピードでここからここまで走っていました。

写真:矢印を付ける

このようなやりとりは,裁判員などの前にあるモニターだけでなく,壁面の大型ディスプレーでも見ることができます。

写真:大型ディスプレー

4. 評議室

 裁判員6人と裁判官3人が,法廷で見聞きした証拠に基づいて,被告人が有罪かどうか,有罪の場合にどのような刑が相当なのかを議論する「評議」という手続を行う部屋です。

 評議の進行は裁判長が行い,最終的に結論が出たら裁判官が判決を作成し,その内容を全員で確認します。

 ちなみに,補充裁判員は評議を傍聴することができ,裁判長から意見を聴かれることもあります。
 なお,評議は非公開で行われます。

写真:評議室