第3 配偶者暴力等保護命令手続について

2 配偶者暴力等保護命令手続の流れ

(1) 事前相談

 配偶者暴力等保護命令手続を申し立てるに当たっては,事前に,警察署(生活安全課等)又は配偶者暴力相談支援センターに相談をしなければなりません。

 配偶者暴力相談支援センターは,大阪府内では大阪府女性相談センター(06-6949-6022),大阪市配偶者暴力相談支援センター(06-4305-0100)などが担っています。

 保護命令の申立書には,これらの相談機関へ赴いて相手方からの暴力を受けたことなどについて相談した事実を記載しなければならず,事前に相談をしていないときは,公証人役場において加害者から暴力を受けたことなどについての被害者の供述を記載し,その供述が真実であることを公証人の面前で宣誓して作成した宣誓供述書を保護命令の申立書に添付する必要があります。そのため,前記の相談機関への事前相談をしてください。

 また,子への接近禁止命令又は親族への接近禁止命令を求める場合,相談又は宣誓の段階でこれらの命令が必要と考えられる事情についても申述しておく必要があります。前記の機関に相談をしておらず,宣誓供述書の添付もないと,申立てをしても保護命令が発令されないことになりますから十分に注意してください。

(2) 申立て

 保護命令の申立てに当たっては,大阪地裁に管轄がある場合は,保護命令申立書と添付書類を当部(本館3階)に提出する必要があります。

 大阪地裁に管轄があるか否かについては,後記の説明をよくお読みください。

 また,保護命令申立書は,大阪府内の配偶者暴力相談支援センターであれば,当部所定の書式を用意してくれますので,前記の相談機関にて受領してください。

 申立てに当たって提出しなければならない書類については,保護命令申立てまでのチェックリスト(PDF:1.08MB)を参照してください。

 また,当部に申立てをされるときは,当日に長くお待たせすることがないように態勢を整えておきたいので,遅くとも前日までに当部まで電話でご連絡をいただきたいと思います。

(3) 申立後の手続-決定まで

 当部所定の申立書に必要事項を記載して当部に申立てをした後,担当書記官から受付審査を受け,その後に担当裁判官による審尋を行います。その審尋では,申立書等をもとにして申立てについての詳しい事情をお聞きします。

 担当裁判官による審尋の後,原則として約1週間後に相手方を審尋する期日を指定し,相手方を呼び出します。

 相手方審尋を一度開催することで十分な心証を得られたときは,その期日において保護命令が発令されることがありますが,双方の言い分が大きく異なっているときは,改めて申立人(被害者)及び相手方(加害者)から詳しい事情をお聞きするために更に審尋期日が指定されることがあります。

 双方から詳しい事情をお聞きした後,保護命令の申立てについての決定がされます。

(4) 発令後-取消しの申立て

 保護命令事件の被害者は,保護命令が発令された後,事情の変更などにより保護命令が必要なくなった場合,保護命令の効力期間中であれば,いつでも,保護命令の取消しの申立てをすることができます(DV防止法17条)。特に,退去命令が発令された後,転居をした場合には,もはや退去命令の必要はなくなったこととなりますので,加害者に対し必要以上に不利益を課すことがないように,退去命令部分の取消しの申立てをすることが望まれます。

(5) 発令後-再度の申立て

 加害者から身体への暴力又は生命,身体に対する脅迫を受けて保護命令を受けた被害者が,その後に新たな暴力を振るわれてはいないものの,加害者から威嚇や挑発を受け続けるなどしていて保護命令の期間満了により再び暴力を振るわれるおそれが大きい場合,前回の保護命令の根拠となった暴力等を原因として,再度の申立てをすることができます。ただし,期間延長や期間更新とは異なり,再度の申立ての段階で更なる暴力のおそれが大きいか否かを改めて判断することとなります。

 再度の申立てを行う場合も,当初の申立てと同様に事前相談を経て申立書及び証拠資料を提出する必要があります。

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      7. 2_2(3)帳簿資料保存者・重要資料保存者の選任申立ての要否
      8. 2_2(4)清算人選任申立ての方法等
      9. 2_3一時取締役・監査役職務代行者(仮役員)選任申立ての方法等
      10. 2_4株主総会招集許可申立ての方法等
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      12. 3_2訴状の記載内容等
      13. 3_3答弁書の記載内容等
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    12. 労働部(第5民事部)
      1. 1. はじめに
      2. 2. 労働事件にはどのようなものがあるでしょうか
      3. (1) 解雇の有効性に関する事件
      4. (2) 整理解雇に関する事件
      5. (3) 解雇予告手当に関する事件
      6. (4) 有期雇用において雇用の終了(雇止め)に関する事件
      7. (5) 配置転換に関する事件
      8. (6) 賃金に関する事件
      9. (7) 退職金に関する事件
      10. (8) 労働条件に関する事件
      11. (9) 労働委員会の救済命令などの取消訴訟(労働組合法27条の19など)
      12. (10) 公務員の労働に関する事件
      13. (11) 労災保険の支給に関する事件
      14. 3. 労働事件の解決のためにどのような手続があるでしょうか
      15. 4. 第5民事部で行われている手続にはどのようなものがあるのでしょうか
      16. 労働審判のQ&A
    13. 倒産部(第6民事部)
    14. 建築・調停部(第10民事部)
      1. 1_1.建築・調停部(第10民事部)について
      2. 1_2.建築関係訴訟
      3. 1_3.民事調停事件
      4. 1_4.借地非訟事件
    15. 執行部(第14民事部)
      1. 不動産執行申立てに必要な書類等
      2. 自動車執行申立てに必要な書類等
      3. 競売申立時の代位登記について
      4. 代金納付手続
      5. 代金納付手続に必要な書類等
      6. 引渡命令申立
      7. 引渡命令(ひきわたしめいれい)から強制執行申立(きょうせいしっこうもうしたて)までの流れ
      8. 不動産引渡命令の執行文付与・送達証明申請をされる方へ
      9. ローン制度の利用
      10. 債権執行
      11. 債権者の方へ(注意書)
      12. 扶養義務(養育費・婚姻費用等)に係る債権差押命令申立ての説明
      13. 新法により設けられた新しい民事執行手続の概要
      14. 執行手続書式例
      15. 財産開示手続の申立てをされる方へ
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      17. 給与債権の情報取得手続の申立てをされる方へ
      18. 不動産の情報取得手続の申立てをされる方へ
    16. 交通部(第15民事部)
      1. 1. 交通部(第15民事部)について
      2. 2. 交通部(第15民事部)の取り扱う事件
      3. 3. 交通事件の審理について
    17. 医事部(第17・19・20民事部)
      1. 第1節 医事部の誕生
      2. 第2節 医事部で取り扱う事件
      3. 第1節 はじめに
      4. 第2節 訴え提起から争点整理
      5. 診療経過一覧表の利用
      6. 専門的知見の活用
      7. 争点整理案の積極的な活用
      8. 当事者の理解と協力
      9. 第3節 証拠調べ
      10. 集中証拠調べの実施
      11. ポイントを絞った尋問の実施
      12. 鑑定とは?
      13. 鑑定人の選任手続について
      14. 鑑定人となられる皆様へ
      15. 第5節 判決又は和解
      16. 第1節 はじめに
    18. 知的財産権部(第21・26民事部)
      1. ご案内
      2. 第一審の管轄
      3. 控訴審の管轄
      4. 知財訴訟の訴額算定基準
      5. 書類及び電子データの提出について
      6. 証拠説明書提出のお願い
      7. 計画審理モデル<計画審理による知財訴訟の迅速解決>
      8. 付記弁理士
      9. 第1部(知的財産権制度,訴訟手続の概要など)
      10. 第2部(訴訟準備など)
      11. 特許・実用新案Aコース
      12. 特許・実用新案Aコースの答え
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      14. 特許・実用新案Bコースの答え
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      16. 特許・実用新案Cコースの答え
      17. 意匠コース
      18. 意匠コースの答え
      19. 商標コース
      20. 商標コースの答え
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