(1) 不起訴及び起訴猶予
検察官は,捜査の結果に基づいて,その事件を起訴するかどうかを決めます。起訴する権限は検察官のみが有しています。検察官は,被疑者が罪を犯したとの疑いがない,あるいは十分でないと判断する場合には,起訴しないのですが,嫌疑が十分あっても,犯人の性格,年齢及び境遇,犯罪の軽重及び情状,犯罪後の情況といった諸般の事情に照らして,あえて起訴する必要はないと考えるときには起訴しないこと(起訴猶予)ができます。
(2) 公訴提起
他方,検察官が起訴することを相当と考えて裁判所に起訴状を提出し,公訴を提起すると,刑事事件の裁判手続が開始されることになります。
被疑者は起訴されることにより被告人となります。この場合,罰金以下の刑に当たる罪等の事件については簡易裁判所が,それ以外の罪の事件については地方裁判所が第一審として事件を担当するのが原則ですが,例外として,内乱等の罪の事件については高等裁判所が第一審裁判所となります。