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知的財産権訴訟の新しい取組について

知的財産権訴訟の新しい取組について(PDF:505KB)

-内容(テキストのみ)-

(知的財産権訴訟における裁判所の取組)

 近年,知的財産権の保護に関して,司法の果たすべき役割への期待が高まってきています。このような期待にこたえるため,裁判所では,かねてから知的財産権訴訟における審理の充実と迅速化を目指して,さまざまな工夫を試みてきました。
 その結果,例えば,知的財産権関係の民事通常訴訟事件の平均審理期間(訴えの提起から終局までにかかる期間の平均)は,事件数が増加傾向にあるにもかかわらず,平成15年度には第一審が15.6月に,控訴審が9.9月にと短縮しています。
 そこで,ここでは,今までの取組のうち,平成16年4月から導入された「専門委員制度」をご紹介するとともに,裁判所の今後の試みのうち,平成17年4月から始まる「知的財産高等裁判所」と「秘密保持命令」等をご紹介します。

(知的財産権訴訟における専門委員制度)

  専門委員制度は,専門的な知見を要する事件における審理の充実と迅速化を図る制度です。裁判所は,訴訟関係を明瞭にするなどのため必要があると認めるときに,専門委員を手続に関与させて,専門的な知見に基づく説明を聞くことができます。
 知的財産権訴訟では技術的な事項が問題となる場合が多いのですが,裁判所は,昨今の技術分野の急速な先端化,細分化により適切に対応するために,この専門委員制度を活用して,技術に関する専門的知見を柔軟かつ弾力的に補充できるようにしています。
 専門委員には,各技術分野をカバーしている学会等から,第一人者と目される方を数多く推薦いただいており,現在では,バイオ,半導体,コンピュータープログラム,人工知能,宇宙工学等の先端的分野の専門家約160名が任命されています。
 事件の当事者等からは,専門委員制度は非常に有意義な制度であるとの感想をいただいており,裁判所としては,今後も積極的にこの制度を活用していきたいと考えています。

(知的財産高等裁判所)

平成17年4月から,東京高等裁判所の特別の支部として,知的財産高等裁判所が新設されることになりました。
知的財産高等裁判所の取扱事件は,東京高等裁判所の管轄に属する民事・行政事件のうち,その性質・内容が知的財産権に関するすべての事件です。
 また,知的財産高等裁判所には,一定の範囲の司法行政事務を独自に行う権限が与えられます。これにより,裁判所の様々な取組(例えば,専門委員制度等)とあいまって,知的財産権に関する事件を処理するにふさわしい専門性を備えた裁判所が誕生することになります。

(秘密保持命令,当事者尋問等の公開停止等の制度の導入)

 知的財産権訴訟においては,主張書面や証拠の内容に営業秘密が含まれていることが多く,その営業秘密が訴訟手続を通じて簡単に外に漏れてしまうのでは,当事者の主張・立証活動が制約されることになりかねません。そこで,適正な審理が実現できるように,営業秘密を守るための制度がスタートします。

  • 秘密保持命令
     訴訟に表れる営業秘密について,申立てにより,相手方の当事者や代理人等に対し,その営業秘密を訴訟追行以外の目的で使用することや,秘密保持命令を受けた者以外の者にその営業秘密を開示することを禁止し,これに違反した者に対して刑事罰を科することができるようになります。
  • 当事者尋問等の公開停止
     原則公開である当事者本人尋問や証人尋問の訴訟手続を非公開とすることができるようになります。

 このほかにも,(1)知的財産権訴訟を担当する裁判所調査官の権限が拡大されるとともに,その範囲が明確にされること,(2)特許権等の侵害に係る訴訟において,その特許等が無効審判により無効にされるべきものと認められるときは,その特許権等の権利行使ができなくなることといった変更があります。

 裁判所としても,これらの制度を十分に活用し,これまで以上に専門的な処理態勢を整備し,より一層,適正迅速な裁判を目指していきたいと考えています。