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教育的働きかけとしての「犯罪被害を考えさせる講習」

家庭裁判所における教育的働きかけ

 家庭裁判所では,非行少年に対し,保護観察や少年院送致などの保護処分を課したり刑罰を科するために検察官に送致するなどの決定をしていますが,そのような処分まで必要としない少年に対しても,非行を繰り返すことのないように,処分の決定までの過程で,自らの行為を反省させるための教育的な働きかけを様々な方法で行っています。

家庭裁判所における教育的働きかけ

犯罪被害を考えさせる講習

 その取組の一つとして,犯罪被害者の視点を採り入れた「犯罪被害を考えさせる講習」があります。万引きや放置バイクの横領のような非行では,被害を受けた方の姿が見えにくいこともあり,少年は,自らの行為について安易に考えがちです。そこで,「犯罪被害を考えさせる講習」では,実際に犯罪の被害に遭われた方を講師に招き,被害の実情や生の経験に基づいた犯罪被害者の気持ちなどを少年に聴かせています。そうして少年に自らの行為による結果の大きさを実感させ,非行に向き合わせて反省を深めさせています。また,保護者も講習に同席させ,犯罪被害に関する認識を深めるよう指導しています。

被害に遭われた方による講話

 講話には,スーパーマーケット,コンビニエンスストア,書店,CDショップ,バイク販売店などの実際に被害に遭われた方のほか,万引き防止に取り組むNPO法人などにご協力いただいています。

講習風景(模擬)

被害に遭われた方による講話

 講話では,例えば万引きの経済的損失や万引きを発見したときに少年に対してどのような気持ちを抱くかということなどが具体的に語られます。日頃の経営において,商品の仕入れから棚出しまでどれだけきめ細かく配慮しているかという苦労話にも触れていただいています。

ロールプレイング

 講話の後には,少年同士で感想を話し合ったり,犯罪被害者側の立場を体験させるロールプレイングなどのグループワークを行い,被害に遭われた方の置かれた立場や心情をさらに実感させています。

ロールプレイング風景(模擬)

ロールプレイング

感想文

 「犯罪被害を考えさせる講習」に参加した少年の感想文を見ると,被害に遭われた方の心情について,当初は,「腹が立っただろう。」という表面的な理解でしかなかったものが,講習を通じて,「弁償すればよいということではなかった。信頼関係を裏切り,お金と時間だけでなく,心にも損害を与えてしまった。」などと具体的に思い至るようになります。
 保護者においても,「自分の子どものことばかり考えていたが,被害者のことを先に考えるべきだったと反省した。」などの感想が聞かれ,被害者の存在を強く意識するようになったことが分かります。

 このように,家庭裁判所では,被害者の視点を採り入れて少年らに自らの行為の結果を実感させる取組を行っており,この働きかけを通じて少年の再非行を防止しようとしています。