第32回さいたま地方裁判所委員会【議事概要】 第1 日時    平成30年2月5日(月)15:00〜17:00 第2 場所    さいたま地方裁判所大会議室 第3 出席者   【委員】   淺野友彦,荒木直人,金井久男,小嶋一晃,重川純子,設楽あづさ,関根 正昌,山光明,田澤奈津子,中山福二,堀光美知子,丸岡庸一郎,森冨義 明,山田俊雄〔委員長〕(五十音順,敬称略)   【オブザーバー】    (民事部)柳下俊一    (刑事部)富澤誠    (事務局)森田正則,森本益,清水敦子,田村光希雄,道田進 第4 議題 「安全で利用しやすい裁判所」 第5 議事  1 開会 2 委員交代の紹介及び委員からの自己紹介  委員長から,前回委員会から本委員会までの間にされた小林委員,内藤委員 の退任及び田澤委員,森冨委員の任命について紹介があった。  田澤委員,森冨委員から自己紹介があった。  3 議題「安全で利用しやすい裁判所」 (1) さいたま地方裁判所職員による所持品検査の実演及び出席者による体験 等が行われた。   (2) 質疑応答 (委員長)所持品検査の実演等について,御意見,御感想をお伺いしたい。 (委 員)報道機関の記者は,どのように裁判所の庁舎内に入構することに なるのか。 (委員長)司法記者クラブに加盟している報道機関の記者については,当庁 が定める方法により身分確認を行うことで入構を認める予定であ る。 (委 員)さいたまの裁判所には複数の建物があるが,どの建物の出入口で 所持品検査を実施する予定か。 (委員長)所持品検査は,A棟とB棟の正面玄関で実施する予定である。 (委 員)A棟とB棟の正面玄関には,ゲート式の金属探知機をいくつずつ 設置する予定か。 (委員長)それぞれ1つずつ設置する予定である。 (委 員)1つずつでは,来庁者がたくさん来たときに列ができて,時間が かなり掛かるのではないか。 (委員長)当庁では,これまで検査に要する時間を計測してシミュレーショ ン等を行ってきた。  また,混雑が予想される時間帯には,お待たせしないような対応 を行う予定である。 (委 員)裁判員候補者にも,所持品検査を実施するのか。 (オブザーバー) 裁判員候補者についても,所持品検査を実施する予定であ る。 (委 員)空港のように,金属が反応してしまう代表的なものを例示するな どして,あらかじめ手荷物やポケットに入っているものをトレーに 出しておくようなアナウンスをしておけば,混雑防止につながるの ではないか。  タバコの銀紙やヘアピン等が金属探知機に反応すると認識してい ない人も少なくないので,そのような情報も事前にアナウンスして おいてはどうか。 (オブザーバー)待ち時間を少しでも短くするために,来庁者の見える場所 に注意事項を記載した表示を掲示したり,音声を流したりするなど, いわゆる目と耳の両方を使ったアナウンスを予定している。  また,庁舎内に持ち込む手荷物を少なくしてもらうため,玄関前 に設置する予定の無料のコインロッカーの利用を促すことで,待ち 時間を少しでも短くするような工夫をする予定である。 (委 員)車椅子の利用者や体に障害を持っている人へは,どのように対応 するのか。 (オブザーバー)車椅子の利用者には,個別に対応することを予定している。 車椅子の利用者や身体に障害がある人について,あらかじめ来庁予 定を把握しているときには,事前に担当部から連絡してもらうなど して,丁寧な対応ができるよう工夫していきたい。 (委 員)外国人が来庁したときへの対応は考えているか。 (オブザーバー)十分な検討までは至っていないが,代表的な言語を日本語 と併記して表示するなど,外国人にとって分かりやすい対応を検討 していきたい。 (委 員)来庁者の中には,足のよくない人や長い距離を歩くのが困難な人 もいることから,そのような来庁者が困らないよう,今後も裁判所 を利用しやすくするための工夫を考えてもらいたい。 (委員長)利便性と安全性とのバランスが重要である。出入口が限られるこ とで来庁者に不便な面があると思われるが,他方で,裁判所の安全 性を確保する目的も重要である。今後もバランスを考えて対応して いきたい。 (委 員)来庁者の中には,ペースメーカーや医療用の金属のボルトを体内 に入れている人もいると思われるが,そのような人にはどのように 対応する予定か。 (オブザーバー)ペースメーカーや金属ボルトが体内に入っている人には, 検査前に本人からその旨を申し出てもらうなどして,個別に対応す る予定である。 (委 員)さいたま地方検察庁では,出入口に警備員を配置している。来庁 者には,来庁の目的やどの部署に用事があるのかなどについて確認 している。 (委 員)銀行やテレビ局等では,出入口の担当者が,訪れた人にどの部署 に用事があるのかなどを確認している。用務終了後は,用務先の担 当者から必ずサインをもらい,退出時に出入口の担当者が確認する という対応を行っている。  裁判所においては,所持品検査の実効性をより高めるため,将来 的には手荷物のX線検査の導入を検討してはどうか。 (委 員)警備を要する刑事事件において,被告人や傍聴人に所持品検査を 行う事案があると思うが,これまでにそのような事案で問題が発生 したことはあるか。 (オブザーバー)さいたまでは問題が発生した事案はない。 (委員長)全国では,東京,札幌,福岡,大阪などの裁判所で,既に入口で の所持品検査が実施されている。今後,千葉や横浜の裁判所でも実 施する予定と聴いている。 (委 員)来庁者に心の準備ができるように,どのような所持品検査を行う のか,あらかじめ具体的にお知らせしておくのも一つの方法ではな いか。 (委員長)来庁者から,これまで所持品検査を実施しそうな事件を傍聴する ときには,駅のコインロッカーに手荷物等を預けていたので,裁判 所にもコインロッカーの設置を検討してほしいという声が寄せら れたことがある。  さいたまの裁判所には無料のコインロッカーを設置する予定であ り,今後も来庁者に分かりやすく,利便性のある裁判所を目指して いきたい。 (委 員)所持品検査を実施していることを事前に知らせること自体に,危 険物を裁判所に持ち込ませない抑止効果があると思われる。そのよ うな意味で,裁判所で所持品検査を実施しているということをでき るだけ広く周知するのがよいのではないか。 (委員長)庁舎内のサイン表示について,来庁者にとって少しでも分かりや すいものにするためにはどうしたらよいか。 (委 員)庁舎内に入ってしまうと,現在地がどこかが分からなくなってし まうことが多い。例えば,正門の前にも,A棟はここでB棟はここ というようなサインがあるとよいのではないか。  エレベーターや階段を降りたときに,「ここはC棟1階です。」 という現在地の表示があると分かりやすいのではないか。  壁の張り紙もA,B,C,Dのそれぞれの棟で同じ色にするなど の工夫があるとよいのではないか。 (委 員)エレベーターや階段を降りたところに,現在地の表示があるとよ い。廊下の曲がり角や分岐点の表示を更に増やしてもよいのではな いか。 (委 員)歩くときには下を見ている人も多いので,病院等で行っているよ うに,床に色分けの矢印などのサインを表示してはどうか。 (委 員)調停事件の当事者等は,激しく対立していることが多く,一人で 来庁することも多いので,事件書類を郵送する際には,待合室まで 案内する地図を同封すると効果的である。 (委 員)B棟1階からC棟1階に行くには,2階の連絡通路を通らなけれ ばならないが,B棟1階からC棟1階に直接行けないのはどうして か。 (委員長)B棟1階からC棟1階に行く途中には,構造上,自動車が通るた めの道があるので,どうしても一度2階に上がって連絡通路を通る 必要がある。連絡通路を使った動線については,引き続き,より分 かりやすく,利用しやすくするための工夫を検討していきたい。 (委 員)自分のいる場所からどの棟に行けるのかが分かりにくい。  例えば,自分のいる場所の棟の平面図は実線にして,つながって いる棟の平面図は薄い点線にした平面図を設置するなどの工夫を してはどうか。 (委 員)さいたま地裁は,建物を次々と建て増しているために,分かりに くい構造になっているのではないか。  例えば,50年に一度,建て直しを行って利用しやすい建物にし てはどうか。裁判所の来庁者にとって利用しやすくなるのであれば, 建て直しに文句を言う人はいないのではないか。 (委 員)今回のテーマについて,「利用しやすい裁判所」という視点では, 例えば,聴覚障害者が法廷傍聴をする際に手話通訳人をどのように 確保するかなども含めることができるのではないか。  今後,障害者配慮に関しても意見交換をしてみてはどうか。 第6 次回のテーマについて    次回のテーマについて意見交換を行った結果,「犯罪被害者等の保護につい て」をテーマとして取り上げることとした。    第7 次回期日    平成30年9月20日(木)午後3時 - 1 -