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高等裁判所 判例集

事件番号

 昭和45(う)1257

事件名

 業務上過失致死被告事件

裁判年月日

 昭和46年5月31日

裁判所名・部

 東京高等裁判所  第三刑事部

結果

高裁判例集登載巻・号・頁

 第24巻2号388頁

原審裁判所名

原審事件番号

判示事項

 一、 車両等が交通整理の行なわれていない横断歩道に近づいた場合における速度調節義務
二、 連続停止している対向車両の間から走り出て横断歩道を横断しようとする幼児の出現に備え自動車の速度を減速すべき注意義務があるとされた事例

裁判要旨

 一、 両等の運転者は、交通整理の行なわれていない横断歩道に近づいたときには、その車両等が横断歩道の直前に至つた際に一時停止を必要とする状況の発生しないであろうことが明らかな場合を除いては、そのような状況の発生に備えて、あらかじめ速度を調節する義務を負うものと解すべきである。
二、 片側一車線の進路の前方に交通整理の行なわれていない横断歩道があり、道路右側の対向車線には右横断歩道をはさんで自動車が連続停止しており、道路の左右が団地で時刻が午前一一時ごろである等判示の状況のもとにおいては、自動車運転者としては、右停止車両の間を右から左へ走り出て横断歩道を横断しようとする幼児の出現に備え、あらかじめ時速を約二〇キロメートル以下に減速すべき注意義務があると解するのが相当である。

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