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行政事件 裁判例集

事件番号

 平成18(行ウ)173

事件名

 介護給付費不支給決定取消請求事件

裁判年月日

 平成20年2月22日

裁判所名

 東京地方裁判所

分野

 行政

判示事項

 1 介護保険法(平成17年法律第77号による改正前)に定める指定居宅サービス事業者から,指定居宅サービスに該当する訪問介護を受けたとして,その費用について同法に定める保険給付である居宅介護サービス費の支給を申請し,不支給の決定処分を受けた後に死亡した要介護被保険者の相続人がした同処分の取消しを求める訴えにつき,前記相続人の原告適格を肯定した事例
2 介護保険法(平成17年法律第77号による改正前)に定める指定居宅サービス事業者から,指定居宅サービスに該当する訪問介護を受けたとして,その費用について同法に定める保険給付である居宅介護サービス費の支給を申請し,不支給の決定処分を受けた後に死亡した要介護被保険者の相続人がした同処分の取消請求が,棄却された事例

裁判要旨

 1 介護保険法(平成17年法律第77号による改正前)に定める指定居宅サービス事業者から,指定居宅サービスに該当する訪問介護を受けたとして,その費用について同法に定める保険給付である居宅介護サービス費の支給を申請し,不支給の決定処分を受けた後に死亡した要介護被保険者の相続人がした同処分の取消しを求める訴えにつき,同法は,居宅要介護被保険者が指定居宅サービス事業者から指定居宅サービスを受けたときには,当該居宅要介護被保険者が居宅介護サービス費の支給を受ける権利を取得するとともに,当該権利の存在を前提として,当該指定居宅サービスを提供した指定居宅サービス事業者にも,当該居宅介護サービス費に係る固有の支給請求権が発生する場合がある旨を定めており,このような法の定める居宅介護サービス費の支給を受ける権利の性質にかんがみれば,当該権利は,その存続が第三者である指定居宅サービス事業者の利害にも関係を有するものであり,居宅要介護被保険者の一身に専属する性質の権利であるとはいえず,相続の対象となると解するのが相当であり,また,前記相続人の請求が認容された場合に区長が改めて行うこととなる居宅介護サービス費の支給処分は,同相続人を名宛人として行うべきこととなるのであるから,前記相続人は,前記処分の取消しを求める法律上の利益を有するとして,同人の原告適格を肯定した事例
2 介護保険法(平成17年法律第77号による改正前)に定める指定居宅サービス事業者から,指定居宅サービスに該当する訪問介護を受けたとして,その費用について同法に定める保険給付である居宅介護サービス費の支給を申請し,不支給の決定処分を受けた後に死亡した要介護被保険者の相続人がした同処分の取消請求につき,亡要介護被保険者が現に提供を受けた指定訪問介護の具体的な内容及び所要時間について,同法41条4項の厚生労働大臣が定める基準である「指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準」(平成12年厚生省告示第19号。ただし,平成17年厚生労働省告示第279号による改正前)の適用が可能な程度に証明がされているとはいえず,居宅介護サービス費の額の算定の基礎となる「指定居宅サービスに要した費用の額」を算定することはできないから,前記申請が居宅介護サービス費の支給要件を満たしていないものであることは明らかであり,前記申請について居宅介護サービス費を支給しないとした前記処分は違法な処分ということはできないとして,前記請求を棄却した事例

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