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最高裁判所判例集

事件番号

 平成20(あ)1518

事件名

 軽犯罪法違反被告事件

裁判年月日

 平成21年3月26日

法廷名

 最高裁判所第一小法廷

裁判種別

 判決

結果

 破棄自判

判例集等巻・号・頁

 刑集 第63巻3号265頁

原審裁判所名

 東京高等裁判所

原審事件番号

 平成20(う)872

原審裁判年月日

 平成20年7月9日

判示事項

 1 軽犯罪法1条2号にいう「正当な理由」の意義及びその存否の判断方法
2 軽犯罪法1条2号所定の器具に当たる催涙スプレー1本を専ら防御用として隠して携帯したことが同号にいう「正当な理由」によるものであったとされた事例

裁判要旨

 1 軽犯罪法1条2号にいう「正当な理由」があるとは,同号所定の器具を隠して携帯することが,職務上又は日常生活上の必要性から,社会通念上,相当と認められる場合をいい,これに該当するか否かは,当該器具の用途や形状・性能,隠匿携帯した者の職業や日常生活との関係,隠匿携帯の日時・場所,態様及び周囲の状況等の客観的要素と,隠匿携帯の動機,目的,認識等の主観的要素とを総合的に勘案して判断すべきである。
2 職務上の必要から,軽犯罪法1条2号所定の器具に当たる護身用に製造された比較的小型の催涙スプレー1本を入手した者が,これを健康上の理由で行う深夜路上でのサイクリングに際し,専ら防御用としてズボンのポケット内に入れて携帯したなどの本件事実関係の下では,同隠匿携帯は,同号にいう「正当な理由」によるものであったといえる。
(2につき補足意見がある。)

参照法条

 (1,2につき) 軽犯罪法1条2号

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