裁判例結果詳細
最高裁判所判例集
- 事件番号
平成19(受)1503
- 事件名
損害賠償等請求事件
- 裁判年月日
平成21年11月27日
- 法廷名
最高裁判所第二小法廷
- 裁判種別
判決
- 結果
破棄自判
- 判例集等巻・号・頁
集民 第232号393頁
- 原審裁判所名
広島高等裁判所 岡山支部
- 原審事件番号
平成19(ネ)23
- 原審裁判年月日
平成19年6月14日
- 判示事項
農業協同組合の代表理事が,補助金の交付を受けることにより同組合の資金的負担のない形で堆肥センター建設事業を進めることにつき理事会の承認を得たにもかかわらず,その交付申請につき理事会に虚偽の報告をするなどして同組合の費用負担の下で同事業を進めた場合において,資金の調達方法を調査,確認することなく,同事業が進められるのを放置した同組合の監事に,任務のけ怠があるとされた事例
- 裁判要旨
農業協同組合の代表理事が,補助金の交付を受けることにより同組合の資金的負担のない形で堆肥センター建設事業を進めることにつき理事会の承認を得たにもかかわらず,補助金の交付申請につき理事会に虚偽の報告をするなどして同組合の費用負担の下で同事業を進めた場合において,代表理事が,(1)理事会において,それまでの説明に出ていなかった補助金の交付申請先に言及しながら,その申請先や申請内容について具体的な説明をすることなく,補助金の受領見込みについてあいまいな説明に終始した上,(2)その後の理事会においても,補助金が入らない限り同事業に着手しない旨を繰り返し述べていながら,補助金の受領見込みを明らかにしないまま,同組合の資金の立替えによる建設用地の取得を提案したなど判示の事実関係の下においては,代表理事に対し,補助金の受領見込みに関する資料の提出を求めるなどして,建設資金の調達方法を調査,確認することなく,同事業が進められるのを放置した同組合の監事は,その任務を怠ったものというべきである。
- 参照法条
農業協同組合法(平成17年法律第87号による改正前のもの)33条1項,農業協同組合法(平成17年法律第87号による改正前のもの)33条2項,農業協同組合法(平成17年法律第87号による改正前のもの)39条1項,農業協同組合法(平成17年法律第87号による改正前のもの)39条2項,商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)254条3項,商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)274条1項,民法644条,会社法381条1項
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