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最高裁判所判例集

事件番号

 昭和54(し)25

事件名

 裁判の執行に関する異議の申立事件についてした裁判の執行に関する異議の申立棄却決定に対する特別抗告

裁判年月日

 昭和54年3月26日

法廷名

 最高裁判所第三小法廷

裁判種別

 決定

結果

 棄却

判例集等巻・号・頁

 刑集 第33巻2号121頁

原審裁判所名

 名古屋高等裁判所  金沢支部

原審事件番号

原審裁判年月日

 昭和54年2月14日

判示事項

 一 刑法二三条の法意
二 検察官の懲役刑の執行指揮に関する訂正措置が刑訴法五〇二条にいう「不当な処分」とはいえないとされた事例

裁判要旨

 一 刑法二三条は、自由刑に処する裁判を受けた者が当該事件に関して拘禁されている場合にその裁判確定の日から刑期を起算する趣旨の規定であつて、当該事件に関して拘禁されていない場合には、たまたま他事件に関し拘禁されていても同条一項の適用はない。
二 懲役刑の裁判確定当時他事件につき勾留され当該事件に関しては拘禁されていなかつた者について、刑期の起算日を裁判確定の日まで遡らせる刑の執行指揮をした検察官が、後に刑期の起算日を現実の刑の執行開始に照応するように訂正する措置は、右の者に対し実質的な不利益を課したと認めるに足りる特段の事情のない本件(判文参照)においては、刑訴法五〇二条にいう「不当な処分」とはいえない。

参照法条

 刑法23条,刑訴法502条

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