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最高裁判所判例集

事件番号

 昭和56(あ)58

事件名

 薬事法違反

裁判年月日

 昭和57年9月28日

法廷名

 最高裁判所第三小法廷

裁判種別

 判決

結果

 棄却

判例集等巻・号・頁

 刑集 第36巻8号787頁

原審裁判所名

 東京高等裁判所

原審事件番号

原審裁判年月日

 昭和55年11月26日

判示事項

 一 薬事法二条一項二号にいう「医薬品」の意義と憲法三一条、二一条一項、二二条一項
二 薬事法二条一項二号にいう「医薬品」にあたるとされた事例

裁判要旨

 一 薬事法二条一項二号にいう「医薬品」とは、その物の成分、形状、名称、その物に表示された使用目的・効能効果・用法用量、販売方法、その際の演述・宣伝などを総合して、その物が通常人の理解において「人又は動物の疾病の診断、治療又は予防に使用されることが目的とされている」と認められるものをいい、これが客観的に薬理作用を有するものであるか否かを問わない。このように解しても、憲法三一条、二一条一項、二二条一項に違反しない。
二 その名称、形状が一般の医薬品に類似している本体「つかれず」及び「つかれず粒」(いずれもクエン酸又はクエン酸ナトリウムを主成分とする白色粉末又は錠剤)は、たとえその主成分が、一般に食品として通用しているレモン酢や梅酢のそれと同一であつて、人体に対し有益無害なものであるとしても、これを、高血圧、糖尿病、低血圧、貧血、リユウマチ等に良く効く旨その効能効果を演述・宣伝して販売したときは、薬事法二条一項二号にいう「医薬品」にあたる。

参照法条

 薬事法2条1項,薬事法24条1項,薬事法84条5号,憲法21条1項,憲法22条1項,憲法31条

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