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最高裁判所判例集

事件番号

 昭和43(あ)2546

事件名

 業務上横領

裁判年月日

 昭和45年3月27日

法廷名

 最高裁判所第二小法廷

裁判種別

 決定

結果

 棄却

判例集等巻・号・頁

 刑集 第24巻3号76頁

原審裁判所名

 福岡高等裁判所

原審事件番号

原審裁判年月日

 昭和43年10月21日

判示事項

 一 商品市場における売買取引の委託について顧客から商品仲買人に委託証拠金の代用として有価証券を預託する行為の法律上の性質
二 転質と横領罪の成否
三 商品仲買人がいわゆる委託証拠金充用証券を担保に差し入れる行為が業務上横領罪にあたるとされた事例

裁判要旨

 一 商品市場における売買取引の委託について、顧客から商品仲買人に委託証拠金の代用として有価証券を預託する行為の法律上の性質は、根質権の設定であつて、消費寄託ではない。
二 質権者は、質権設定者の同意がなくても、その権利の範囲内において質物を転質となしうるが、新たに設定された質権が原質権の範囲を超越するときは、横領罪を構成する。
三 商品仲買人が、いわゆる委託証拠金充用証券を顧客の同意なく担保に差し入れる行為は、それが原質権の範囲を超越しているときは、業務上横領罪を構成する。

参照法条

 商品取引所法(昭和42年法律97号による改正前のもの)97条,商品取引所法(昭和42年法律97号による改正前のもの)92条,民法362条,民法348条,刑法252条,刑法253条

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