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最高裁判所判例集

事件番号

 昭和46(し)67

事件名

 再審請求棄却決定に対する異議申立の棄却決定に対する特別抗告

裁判年月日

 昭和50年5月20日

法廷名

 最高裁判所第一小法廷

裁判種別

 決定

結果

 棄却

判例集等巻・号・頁

 刑集 第29巻5号177頁

原審裁判所名

 札幌高等裁判所

原審事件番号

原審裁判年月日

 昭和46年7月16日

判示事項

 一、刑訴法四三五条六号にいう「無罪を言い渡すべき明らかな証拠」の意義
二、刑訴法四三五条六号にいう「無罪を言い渡すべき明らかな証拠」の判断方法
三、再審請求に対する審判と「疑わしいときは被告人の利益に」という原則との関係

裁判要旨

 一 刑訴法四三五条六号にいう「無罪を言い渡すべき明らかな証拠」とは、確定判決における事実認定につき合理的な疑いをいだかせ、その認定を覆すに足りる盡然性のある証拠をいう。
二 刑訴法四三五条六号にいう「無罪を言い渡すべき明らかな証拠」であるかどうかは、もし当の証拠が確定判決を下した裁判所の審理中に提出されていたとすれば、はたしてその確定判決においてされたような事実認定に到達したであろうかという観点から、当の証拠と他の全証拠とを総合的に評価して判断すべきである。
三 刑訴法四三五条六号にいう「無罪を言い渡すべき明らかな証拠」であるかどうかの判断に際しても、再審開始のためには確定判決における事実認定につき合理的な疑いを生ぜしめれば足りるという意味において、「疑わしいときは被告人の利益に」という刑事裁判における鉄則が適用される。

参照法条

 刑訴法435条6号

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