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最高裁判所判例集

事件番号

 昭和49(あ)1200

事件名

 兇器準備集合、公務執行妨害

裁判年月日

 昭和52年5月6日

法廷名

 最高裁判所第二小法廷

裁判種別

 判決

結果

 破棄差戻

判例集等巻・号・頁

 刑集 第31巻3号544頁

原審裁判所名

 東京高等裁判所

原審事件番号

原審裁判年月日

 昭和49年3月29日

判示事項

 一、共同加害の目的が認められないとして兇器準備集合罪の成立を成否を否定した原判決に事実誤認の疑いがあるとされた事例
二、無許可集団示威運動と昭和二十五年東京都条例第四四号集会、集団行進及び集団示威運動に関する条例四条飯田橋

裁判要旨

 一 角材の柄付きプラカード等を所持して集団示威運動を行つていた学生集団の先頭部分の学生のうち、所携の右プラカード等を振り上げて警察官をめがけて殴りかかつている状況を相互に目撃し得る場所に近接して位置し、しかもみずから警察官に対し暴行に及んだ者あるいは暴行に及ぼうとしていた者についてまで、右行為は各自の個人的な意思発動による偶発的行為であるとして、兇器準備集合罪にいう共同加害目的の存在を否定した原判決は、判示の事情のもとにおいては、事実を誤認した疑いがあり、破棄を免れない。
二 昭和二五年東京都条例第四四号集会、集団行進及び集団示威運動に関する条例四条は、同条にいう所要の措置が違反行為の態様、公共の秩序に対する侵害の程度等に応じて必要な限度を超えてはならないことを規定したものであつて、無許可の集団示威運動に対し、これを直ちに実力で阻止し解散させなければならないほど明白かつ切迫した事態にない限り阻止することも許されないとする趣旨ではない。

参照法条

 刑法95条1項,刑法208条ノ2第1項,刑訴法411条3号,集会、集団行進及び集団示威運動に関する条例(昭和25年東京都条例44号)4条

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