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最高裁判所判例集

事件番号

 昭和46(オ)582

事件名

 建物収去土地明渡請求

裁判年月日

 昭和46年10月14日

法廷名

 最高裁判所第一小法廷

裁判種別

 判決

結果

 棄却

判例集等巻・号・頁

 民集 第25巻7号933頁

原審裁判所名

 東京高等裁判所

原審事件番号

 昭和45(ネ)816

原審裁判年月日

 昭和46年2月1日

判示事項

 一、競売期日の公告に記載されなかつた賃借権とその対抗力
二、執行裁判所の取調に対して申出のなかつた賃借権とその効力
三、土地の所有権と賃借権とが混同しても賃借権が消滅しない場合

裁判要旨

 一、建物保護に関する法律一条による対抗要件を具備した土地の賃借権は、競売期日の公告に記載されなかつたとしても、その対抗力が消滅するものではない。
二、執行裁判所の取調に対して土地の賃借権者が賃借権の申出をしなかつたとしても、その賃借権の効力に影響を及ぼすものではない。
三、特定の土地につき所有権と賃借権とが同一人に帰属するに至つた場合であつても、その賃借権が対抗要件を具備したものであり、かつ、その対抗要件を具備したのちに右土地に抵当権が設定されていたときは、民法一七九条一項但書の準用により、賃借権は消滅しないものと解すべきであり、このことは、賃借権の対抗要件が建物保護に関する法律一条によるものであるときでも同様である。

参照法条

 民法179条1項,民法520条,民法601条,民法605条,建物保護に関する法律1条,民訴法643条1項,民訴法643条3項,民訴法658条

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