裁判例結果詳細
最高裁判所判例集
- 事件番号
昭和62(オ)1555
- 事件名
懲戒処分無効確認等請求事件
- 裁判年月日
平成元年7月4日
- 法廷名
最高裁判所第三小法廷
- 裁判種別
判決
- 結果
棄却
- 判例集等巻・号・頁
民集 第43巻7号767頁
- 原審裁判所名
東京高等裁判所
- 原審事件番号
昭和60(ネ)3628
- 原審裁判年月日
昭和62年8月6日
- 判示事項
一 勤務割による勤務予定日についての年次休暇の時季指定に対し使用者が代替勤務者確保のための配慮をせずにした時季変更権の行使が適法である場合
二 勤務割による勤務予定日についての年次休暇の時季指定に対し使用者が代替勤務者確保のための配慮をせずにした時季変更権の行使が適法とされた事例
- 裁判要旨
一 労働者が勤務割による勤務予定日につき年次休暇の時季指定をしたのに対し、使用者が代替勤務者確保のための配慮をせずに時季変更権を行使した場合であつても、当該事業場における勤務割の変更の方法及びその頻度、使用者の従前の対応、代替勤務の可能性、週休制の運用、当該時季指定の時期などに照らして、使用者が通常の配慮をしたとしても代替勤務者を確保して勤務割を変更することが客観的に可能な状況にないときには、右時季変更権の行使は適法である。
二 労働者が勤務割による勤務予定日につき年次休暇の時季指定をしたのに対し、使用者が代替勤務者確保のための配慮をせずに時季変更権を行使した場合であつても、当該職場では、週休日についての勤務割の変更はほとんど行われず、年次休暇の時季指定により要員不足を生じたときには専ら管理者による欠務補充の方法がとられていて、その日が週休予定の職員に対し勤務割変更の上出勤が命じられることはおよそあり得ないとの認識が労使間に定着しており、また、右勤務予定日については、当時の成田空港開港反対闘争に関連する異常事態により管理者による欠務補充の方法をとることができない状況にあつたなど判示の事情の下においては、右時季変更権の行使は適法である。
- 参照法条
労働基準法(昭和62年法律第99号による改正前のもの)39条3項
- 全文