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最高裁判所判例集

事件番号

 平成10(許)2

事件名

 債権差押命令に対する執行抗告棄却決定に対する許可抗告事件

裁判年月日

 平成11年5月17日

法廷名

 最高裁判所第二小法廷

裁判種別

 決定

結果

 棄却

判例集等巻・号・頁

 民集 第53巻5号863頁

原審裁判所名

 大阪高等裁判所

原審事件番号

 平成10(ラ)18

原審裁判年月日

 平成10年2月10日

判示事項

 一 動産譲渡担保権に基づく物上代位権の行使が認められた事例
二 動産譲渡担保権の設定者が破産宣告を受けた後における右譲渡担保権に基づく物上代位権行使の可否

裁判要旨

 一 銀行甲が、輸入業者乙のする商品の輸入について信用状を発行し、約束手形の振出しを受ける方法により乙に輸入代金決済資金相当額を貸し付けるとともに、乙から右約束手形金債権の担保として輸入商品に譲渡担保権の設定を受けた上、乙に右商品の貸渡しを行ってその処分権限を与えたところ、乙が、右商品を第三者に転売した後、破産の申立てをしたことにより右約束手形金債務につき期限の利益を失ったという事実関係の下においては、甲は、右商品に対する譲渡担保権に基づく物上代位権の行使として、転売された右商品の売買代金債権を差し押さえることができる。
二 動産譲渡担保権に基づく物上代位権の行使は、右譲渡担保権の設定者が破産宣告を受けた後においても妨げられない。

参照法条

 民法304条,民法369条(譲渡担保),破産法92条

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