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最高裁判所判例集

事件番号

 平成1(オ)1667

事件名

 損害賠償並びに民訴法一九八条二項による返還及び損害賠償

裁判年月日

 平成6年2月22日

法廷名

 最高裁判所第三小法廷

裁判種別

 判決

結果

 その他

判例集等巻・号・頁

 民集 第48巻2号441頁

原審裁判所名

 福岡高等裁判所

原審事件番号

 昭和60(ネ)181

原審裁判年月日

 平成元年3月31日

判示事項

 一 雇用者の安全配慮義務違反によりじん肺にかかったことを理由とする損害賠償請求権の消滅時効の起算点
二 慰謝料額の認定に違法があるとされた事例

裁判要旨

 一 雇用者の安全配慮義務違反によりじん肺にかかったことを理由とする損害賠償請求権の消滅時効は、じん肺法所定の管理区分についての最終の行政上の決定を受けた時から進行する。
二 炭鉱労務に従事してじん肺にかかった者又はその相続人が、雇用者に対し、財産上の損害の賠償を別途請求する意思のない旨を訴訟上明らかにして慰謝料の支払を求めた場合に、じん肺が重篤な進行性の疾患であって、現在の医学では治療が不可能とされ、その症状も深刻であるなど判示の事情の下において、その慰謝料額を、じん肺法所定の管理区分に従い、死者を含む管理四該当者につき一二〇〇万円又は一〇〇〇万円、管理三該当者につき六〇〇万円、管理二該当者につき三〇〇万円とした原審の認定には、その額が低きに失し、著しく不相当なものとして、経験則又は条理に反する違法がある。

参照法条

 じん肺法4条,じん肺法13条,民法166条1項,民法415条,民法710条,民訴法394条

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