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最高裁判所判例集

事件番号

 昭和36(オ)897

事件名

 預金返還請求

裁判年月日

 昭和39年12月23日

法廷名

 最高裁判所大法廷

裁判種別

 判決

結果

 その他

判例集等巻・号・頁

 民集 第18巻10号2217頁

原審裁判所名

 東京高等裁判所

原審事件番号

原審裁判年月日

 昭和36年4月26日

判示事項

 一 債権差押の第三債務者が差押前に取得し差押後に相殺適状を生じた反対債権と被差押債権との相殺の効力。
二 相殺に関する契約の対外的効力。

裁判要旨

 一 甲が乙の丙に対する債権を差し押えた場合において、丙が差押前に取得した乙に対する債権の弁済期が差押時より後であるが、被差押債権の弁済期より前に到来する関係にあるときは、丙は右両債権の差押後の相殺をもつて甲に対抗することができるが、右両債権の弁済期の前後が逆であるときは、丙は右相殺をもつて甲に対抗することはできないものと解すべきである。
二 債権者と債務者の間で、相対立する債権につき将来差押を受ける等の一定の事由が発生した場合には、両債権の弁済期のいかんを問わず、直ちに相殺適状を生ずる旨の契約および予約完結の意思表示により相殺することができる旨の相殺予約は、相殺をもつて差押債権者に対抗できる前項の場合にかぎつて、差押債権者に対し有効であると解すべきである。

参照法条

 民法511条,民訴法598条1項

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