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最高裁判所判例集

事件番号

 昭和40(オ)536

事件名

 損害賠償請求

裁判年月日

 昭和46年4月23日

法廷名

 最高裁判所第二小法廷

裁判種別

 判決

結果

 棄却

判例集等巻・号・頁

 民集 第25巻3号351頁

原審裁判所名

 東京高等裁判所

原審事件番号

 昭和37(ネ)415

原審裁判年月日

 昭和40年2月10日

判示事項

 一、踏切道の軌道施設に保安設備を欠く場合と民法七一七条の責任
二、踏切道の軌道施設に設置上のかしがあるとされた事例

裁判要旨

 一、土地の工作物たる踏切道の軌道施設は、保安設備とあわせ一体としてこれを考察すべきであり、本来そなえるべき保安設備を欠く場合には、土地の工作物たる軌道施設の設置にかしがあるものとして、民法七一七条所定の帰責原因になる。
二、電車の踏切において、横断者からみた踏切付近の見通しが判示のとおりであり、所定の速度で踏切を通過しようとする電車の運転者が、踏切上にある歩行者を最遠距離において発見してただちに急停車の措置をとつても、踏切を越える地点でなければ停止できないほど見通しが悪いうえ、一日につき、換算交通量七〇〇人程度、列車回数五〇四回にのぼり、過去においても数度に及ぶ電車と通行人との接触事故があつたという事情のある場合には、少なくとも右踏切に警報機を設置していなかつたことは、土地の工作物たる軌道施設の設置にかしがあつたものというべきである。

参照法条

 民法717条

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