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最高裁判所判例集

事件番号

 昭和53(オ)925

事件名

 物件引渡

裁判年月日

 昭和54年2月15日

法廷名

 最高裁判所第一小法廷

裁判種別

 判決

結果

 棄却

判例集等巻・号・頁

 民集 第33巻1号51頁

原審裁判所名

 大阪高等裁判所

原審事件番号

 昭和51(ネ)826

原審裁判年月日

 昭和53年4月27日

判示事項

 一 構成部分の変動する集合動産と譲渡担保の目的
二 構成部分の変動する集合動産の譲渡担保につき目的物の範囲が特定されているとはいえないとされた事例

裁判要旨

 一 構成部分の変動する集合動産であつても、その種類所在場所及び量的範囲を指定するなどの方法により目的物の範囲が特定される場合には、一個の集合物として譲渡担保の目的となりうる。
二 甲が、継続的倉庫寄託契約に基づき丙に寄託中の食用乾燥ネギフレーク四四トン余りのうち二八トンを乙に対する債務の譲渡担保とすること、乙はこれを売却処分することができることを約し、在庫証明の趣旨で丙が作成した預り証を乙に交付したが、乙も在庫を確認したにとどまり、その後処分のため乙に引き渡された右乾燥ネギフレークの大部分は甲の工場から乙に直送され、残部は甲が丙から受け出して乙に送付したものであるなど判示の事実関係のもとでは、甲が乙に寄託中の右乾燥ネギフレークのうち二八トンを特定して譲渡担保に供したものとはいえない。

参照法条

 民法85条,民法369条

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