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最高裁判所判例集

事件番号

 昭和30(オ)873

事件名

 貸金請求

裁判年月日

 昭和34年7月14日

法廷名

 最高裁判所第三小法廷

裁判種別

 判決

結果

 破棄差戻

判例集等巻・号・頁

 民集 第13巻7号960頁

原審裁判所名

 仙台高等裁判所

原審事件番号

原審裁判年月日

 昭和30年7月30日

判示事項

 一、 村長の借入金受領と消費貸借の成否
二、 村長の借入金受領行為と民法第一一〇条の類推適用
三、 民法第一一〇条所定の代理権ありと信ずべき正当の理由があつたとの判断が違法とされた事例

裁判要旨

 一、 現金出納の権限のない村長が村の名において他人より金員を借り入れ、これを自ら受領したにとどまる場合は、右金員の借入が村議会の決議に基づいても、その他人と村との間には右金員の消費貸借は成立しない。
二、 右の場合、村につき民法第一一〇条所定の「代理人カ其権限外ノ行為ヲ為シタル場合」に該当するものとして、同条の類推適用によりその責任を認めるのが相当である。
三、 一の場合村長がたんに村上席書記を帯同のうえ、貸主に前記決議書抄本を呈示した事実のみから、ただちに貸主が村長に借入金受領の権限があると信ずべき正当の理由があつたと断ずるのは違法である。

参照法条

 地方自治法149条,地方自治法170条,民法587条,民法110条

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