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最高裁判所判例集

事件番号

 昭和36(オ)243

事件名

 約束手形金請求

裁判年月日

 昭和39年1月23日

法廷名

 最高裁判所第一小法廷

裁判種別

 判決

結果

 棄却

判例集等巻・号・頁

 民集 第18巻1号76頁

原審裁判所名

 東京高等裁判所

原審事件番号

原審裁判年月日

 昭和35年11月29日

判示事項

 一 既存債務弁済の目的でなされた売買が詐害行為にあるとされた事例
二 詐害行為取消債権者の受益者、転得者に対する直接の財産引渡請求権の有無

裁判要旨

 一 債務者が受益者に対し建物および動産を売り渡し受益者がその買受代金を現実に支払うことなく、当時右両者間において債務者が受益者に対して負担する借入金と相殺する合意がなされた場合、受益者が右債務者たる会社の役員であり、右会社の債務超過による支払停止に次いで全く同一事業を目的とする新会社が前記会社と共通の役員をもつて設立され、前記動産が更に右新会社に売り渡された等原判示の如き事情(原判決理由参照)があるときは、たとえ、右債務者受益者間の売買が既存債務の弁済を目的としてなされたとしても、反証のないかぎり、取消債権者の債権を害するものと認めるべきである。
二 詐害行為取消訴訟における取消債権者は、受益者、転得者に対し、直接にその受けた財産の引渡を求めうる請求権を有する。

参照法条

 民法424条

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