裁判例結果詳細
最高裁判所判例集
- 事件番号
昭和24(オ)105
- 事件名
仮処分命令申請
- 裁判年月日
昭和27年10月22日
- 法廷名
最高裁判所大法廷
- 裁判種別
判決
- 結果
棄却
- 判例集等巻・号・頁
民集 第6巻9号857頁
- 原審裁判所名
福岡高等裁判所
- 原審事件番号
- 原審裁判年月日
昭和24年4月4日
- 判示事項
一 旧労働関係調整法(昭和二一年法律第二五号)第四〇条の「調整」の意義
二 旧労働関係調整法(昭和二一年法律第二五号)第四〇条により労働者を解雇するについて労働委員会の同意を要する場合
三 単一労働組合の解散とその一構成分子である支部、使用者間の団体協約の効力
四 労働組合解散後の団体協約中解雇承認条項のいわゆる予後効の問題
五 違法な争議行為の一事例。
六 労働基準法第一〇六条違反と就業規則の効力。
七 違法な争議行為を理由に就業規則により労働者を解雇することの当否。
- 裁判要旨
一 旧労働関係調整法(昭和二一年法律第二五号)第四〇条の「調整」とは、同法所定の斡旋員または労働委員会によつてなされる正規の斡旋、調停、仲裁による調整を指すものと解すべきである。
二 旧労働関係調整法(昭和二一年法律第二五号)第四〇条により労働者の解雇または不利益取扱いについて労働委員会の同意を要するのは、正規の調整の行われている場合にかぎると解すべきである。
三 単一労働組合が解散消滅した以上、その単一組合の一構成分子にすぎない支部と使用者間の団体協約も、特段の事情のないかぎり、効力を失うものと認めるのを相当とする。
四 労働組合消滅後は、団体協約中の解雇承認条項も効力を失うものと解すべきである。
五 「会社は正当な争議行為中の支部員の部署を他の如何なる者を以てしても代置することが出来ない。」と定めてある団体協約失効後、組合員外の者の作業を妨害することは、違法な争議行為である。
六 労働基準法第一〇六条第一項所定の就業規則の周知方法を欠いても、右就業規則の効力を否定することはできない。
七 就業規則違反の行為が平和時でなく、争議行為時に生じたものであつても、違法な争議行為を理由に就業規則を適用し解雇する妨げとなるものではない。
- 参照法条
旧労働関係調整法(昭和21年法律25号)40条,旧労働組合法(昭和20年法律51号)21条,旧労働組合法(昭和20年法律51号)11条,労働基準法106条,労働基準法89条