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最高裁判所判例集

事件番号

 昭和61(オ)956

事件名

 占有妨害排除等請求本訴、建物収去土地明渡請求反訴

裁判年月日

 昭和63年1月26日

法廷名

 最高裁判所第三小法廷

裁判種別

 判決

結果

 破棄自判

判例集等巻・号・頁

 集民 第153号323頁

原審裁判所名

 東京高等裁判所

原審事件番号

 昭和59(ネ)1067

原審裁判年月日

 昭和61年4月28日

判示事項

 一 隣接する二筆の土地上にまたがつて存在し登記上の所在地番及び構造が実際と相違する建物の敷地のうち一筆の土地について法定地上権が成立した場合と建物保護に関する法律一条による対抗力
二 建物の競売により法定地上権を取得した者が敷地譲受人による所有権移転登記の経由後に建物の所有権保存登記を経由した場合と敷地転得者に対する地上権の対抗

裁判要旨

 一 隣接する甲乙両土地上にまたがつて存在する建物の敷地のうち甲土地について法定地上権が成立し、建物の登記上、所在地番として一筆の土地の地番が表示され、その所在地番及び構造が実際と相違していても、右地番が大部分の敷地である乙土地の地番と多少相違するにとどまり、登記の表示全体において右建物の同一性を認識できる程度の軽微な相違でたやすく更正登記が可能である場合には、右地上権は、建物保護に関する法律一条による対抗力を有する。
二 建物の競売により法定地上権を取得した者は、その対抗要件を具備しない間に敷地の譲受人が所有権移転登記を経由しても、その後更に敷地の所有権を取得した者が所有権移転登記を経由するまでの間に建物につき所有権保存登記を経由した場合には、右敷地転得者に対して地上権の取得を対抗することができる。

参照法条

 建物保護に関する法律1条,民法177条,民法388条

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