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最高裁判所判例集

事件番号

 平成16(受)458

事件名

 不当利得金返還請求事件

裁判年月日

 平成16年10月26日

法廷名

 最高裁判所第三小法廷

裁判種別

 判決

結果

 棄却

判例集等巻・号・頁

 集民 第215号473頁

原審裁判所名

 仙台高等裁判所  秋田支部

原審事件番号

 平成15(ネ)66

原審裁判年月日

 平成15年12月24日

判示事項

 不当利得返還請求訴訟において不当利得返還請求権の成立要件である「損失」が発生していないと主張して請求を争うことが信義誠実の原則に反するとされた事例

裁判要旨

 甲が,乙と共に相続した預金債権のうちの乙の法定相続分に当たる部分について何らの受領権限もないのに受領権限があるものとして金融機関から払戻しを受けていながら,その払戻しに係る金員について乙が提起した不当利得返還請求訴訟において,一転して,上記払戻しは民法478条の弁済として有効であるとはいえず,乙が上記金融機関に対して乙の法定相続分に当たる預金債権を有していることに変わりはなく,乙には不当利得返還請求権の成立要件である「損失」が発生していないと主張するに至ったなど判示の事情の下では,甲が上記主張をして乙の不当利得返還請求を争うことは,信義誠実の原則に反し許されない。

参照法条

 民法1条2項,民法478条,民法703条,民法899条,民訴法2条

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