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最高裁判所判例集

事件番号

 昭和44(オ)119

事件名

 建物収去土地明渡請求

裁判年月日

 昭和44年5月30日

法廷名

 最高裁判所第二小法廷

裁判種別

 判決

結果

 棄却

判例集等巻・号・頁

 集民 第95号469頁

原審裁判所名

 東京高等裁判所

原審事件番号

 昭和42(ネ)309

原審裁判年月日

 昭和43年12月11日

判示事項

 賃料延滞を理由とする無催告解除が信義に反し許されないとされた事例

裁判要旨

 土地賃貸人が、二ケ月分合計三〇〇〇円の賃料の延滞を理由として、無催告解除の特約に基づき、賃借人に対し、右二ヶ月目の賃料の履行期を徒過した翌日に、賃貸借契約解除の意思表示を発信した場合において、賃借人が賃借以来これまで一一年余の間賃料の支払を怠つたことがなく、右賃料延滞は、賃貸人の娘婿が賃借土地に隣接する賃貸人所有の土地上に建物の建築工事を始め、賃借土地から公道へ至る通行に支障を来たさせて賃借人の生活を妨害したことに端を発した当事者間の紛争に基因するものであり、賃貸人が、右妨害を止める配慮をせず、かえつて右紛争に関する和解のための第三者のあつせんが行なわれている間にこれを無視して右解除の意思表示をしたものである等の事情があるときは、右解除は、信義に反し、その効果を生じないものと解すべきである。

参照法条

 民法1条2項,民法541条

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