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最高裁判所判例集

事件番号

 平成21(受)1742

事件名

 損害賠償請求事件

裁判年月日

 平成22年6月17日

法廷名

 最高裁判所第一小法廷

裁判種別

 判決

結果

 棄却

判例集等巻・号・頁

 民集 第64巻4号1197頁

原審裁判所名

 名古屋高等裁判所

原審事件番号

 平成20(ネ)1063

原審裁判年月日

 平成21年6月4日

判示事項

 売買の目的物である新築建物に重大な瑕疵がありこれを建て替えざるを得ない場合に,買主からの工事施工者等に対する不法行為に基づく建て替え費用相当額の損害賠償請求において買主が当該建物に居住していたという利益を損益相殺等の対象として損害額から控除することの可否

裁判要旨

 売買の目的物である新築建物に重大な瑕疵がありこれを建て替えざるを得ない場合において,当該瑕疵が構造耐力上の安全性にかかわるものであるため建物が倒壊する具体的なおそれがあるなど,社会通念上,建物自体が社会経済的な価値を有しないと評価すべきものであるときには,上記建物の買主がこれに居住していたという利益については,当該買主からの工事施工者等に対する不法行為に基づく建て替え費用相当額の損害賠償請求において損益相殺ないし損益相殺的な調整の対象として損害額から控除することはできない。
(補足意見がある。)

参照法条

 民法709条

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