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行政事件 裁判例集

事件番号

 平成21(行ケ)2

事件名

 選挙無効請求事件

裁判年月日

 平成21年12月28日

裁判所名

 大阪高等裁判所

分野

 行政

判示事項

 平成21年8月30日施行の衆議院議員選挙の小選挙区大阪府第9区における選挙について,公職選挙法13条1項,別表第一の選挙区及び議員定数の定めは,人口分布に基づいて配分しておらず,憲法が規定する代表民主制,その基礎となる公正な代表を選出するために必須の選挙権の平等の規定に反し,違憲であるとしてされた当該選挙の無効請求が,棄却されるとともに,主文において当該選挙が違法であると宣言された事例

裁判要旨

 平成21年8月30日施行の衆議院議員選挙の小選挙区大阪府第9区における選挙について,公職選挙法13条1項,別表第一の選挙区及び議員定数の定めは,人口分布に基づいて配分しておらず,憲法が規定する代表民主制,その基礎となる公正な代表を選出するために必須の選挙権の平等の規定に反し,違憲であるとしてされた当該選挙の無効請求につき,平成20年9月2日時点での衆議院小選挙区別選挙人名簿及び在外選挙人名簿登録者数を基準とすると,大阪府第9区の有権者数は,有権者数が全国で最も少ない高知県第3区の有権者数の2.021倍であり,この較差は,いわゆる1人別枠方式により生じたものであるところ,1人別枠方式は,従来の著しい較差を改善させる方式として,いわば過渡期の改善策としてはそれなりの合理性と実効性があったことを否定できないものの,いつまでも議員1人当たりの選挙人数の最大格差が2倍を超える状態に固定するのを放置することは,立法府の在り方としては憲法上許される範囲のことではなく,当該選挙までにこのような観点から衆議院議員選挙区画定審議会設置法等の改定の努力が認められないことからすると,当該選挙時までには立法不作為は意見の評価を免れない状態に立ち至っているとして,1人別枠方式を根拠とする選挙区割りに基づき行われた当該選挙は,違法との評価を免れないが,行政事件訴訟法31条1項前段の趣旨に準じ,前記請求を棄却するとともに,主文において当該選挙が違法であると宣言した事例

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