裁判例結果詳細
最高裁判所判例集
- 事件番号
平成21(受)1709
- 事件名
目隠しフェンス設置等請求事件
- 裁判年月日
平成22年6月29日
- 法廷名
最高裁判所第三小法廷
- 裁判種別
判決
- 結果
破棄自判
- 判例集等巻・号・頁
集民 第234号159頁
- 原審裁判所名
大阪高等裁判所
- 原審事件番号
平成20(ネ)2644
- 原審裁判年月日
平成21年6月30日
- 判示事項
葬儀場の営業を行う業者が,その近隣に居宅を共有してこれに居住する者に対し,上記居宅から葬儀場の様子が見えないようにするための目隠しを設置する措置を更に講ずべき義務も,葬儀場の営業についての不法行為責任も負わないとされた事例
- 裁判要旨
葬儀場の営業を行う業者は,その近隣に上記営業の開始前から建っている居宅から,告別式等の参列者が葬儀場に参集する様子や棺が搬入又は搬出される様子等が見えることにより,上記居宅を共有してこれに居住する者が強いストレスを感じているとしても,次の(1)〜(4)など判示の事情の下においては,上記の者に対し,上記居宅から葬儀場の様子が見えないようにするための目隠しを設置する措置を更に講ずべき義務も,葬儀場の営業についての不法行為責任も負わない。
(1) 葬儀場と上記居宅との間には幅員15.3mの道路があり,上記居宅において葬儀場の様子が見える場所は2階の一部の居室等に限られる。
(2) 葬儀場における棺の搬入や出棺は,霊きゅう車等を葬儀場の建物の玄関先まで近付けて停車させ,速やかに,ごく短時間のうちに行われている。
(3) 葬儀場の建物の建築やその営業は,行政法規の規制に反するものではない。
(4) 上記業者は,周辺住民により構成される自治会からの要望事項に配慮して,目隠しのためのフェンスの設置,入口位置の変更,防音,防臭対策等の措置を講じている。
- 参照法条
民法2条,民法709条,憲法13条
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