裁判例結果詳細
行政事件 裁判例集
- 事件番号
平成22(行コ)163
- 事件名
所得税更正処分取消請求控訴事件(原審・東京地方裁判所平成20年(行ウ)第588号)
- 裁判年月日
平成22年9月30日
- 裁判所名
東京高等裁判所
- 分野
行政
- 判示事項
建物の賃貸人が,同建物に係る賃貸借契約を合意解約した際に賃借人から預託された保証金の返還義務の免除を受けたことによる利益が不動産所得に当たるとしてした所得税の納税申告につき,申告書に記載した税額の計算に誤りがあったとしてした更正の請求に対してされた,更正をすべき理由がない旨の通知処分の取消請求が,棄却された事例
- 裁判要旨
建物の賃貸人が,同建物に係る賃貸借契約を合意解約した際に賃借人から預託された保証金の返還義務の免除を受けたことによる利益が不動産所得に当たるとしてした所得税の納税申告につき,申告書に記載した税額の計算に誤りがあったとしてした更正の請求に対してされた,更正をすべき理由がない旨の通知処分の取消請求につき,所得税法26条1項所定の不動産所得とは,不動産,不動産の上に存する権利等の貸付けによる所得(事業所得又は譲渡所得に該当するものを除く。)をいい,前記貸付けによる所得とは,使用収益期間に対応して定期的かつ継続的に支払われる賃料のみならず,賃借人から賃貸人に移転される経済的利益のうち,目的物を使用収益する対価としての性質を有するもの又はこれに代わる性質を有するものをいうと解されるとした上,前記免除を受けたことによる利益は,その全額が,前記合意解約により賃料収入を失うことによって賃貸人に生ずる一切の経済的損失をその多寡にかかわらず補償する性質を有するものであるから,同法施行令94条1項2号所定の不動産所得を生ずべき業務に関し,当該業務の全部又は一部の休止,転換又は廃止その他の事由により当該業務の収益の補償として取得する補償金その他これに類するもので,その業務の遂行により生ずべき所得に係る収入金額に代わる性質を有するものとして,不動産所得に当たるとして,前記請求を棄却した事例
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