裁判例結果詳細
行政事件 裁判例集
- 事件番号
平成19(行ウ)191
- 事件名
退去強制令書発付処分取消等請求事件
- 裁判年月日
平成23年1月19日
- 裁判所名
大阪地方裁判所
- 分野
行政
- 判示事項
フィリピン国籍に加え日本国籍をも有すると主張する者に対し,法務大臣から権限の委任を受けた入国管理局長がした出入国管理及び難民認定法49条1項に基づく異議の申出が理由がない旨の裁決及び入国管理局主任審査官がした退去強制令書発付処分の各取消請求が,いずれも棄却された事例
- 裁判要旨
フィリピン国籍に加え日本国籍をも有すると主張する者に対し,法務大臣から権限の委任を受けた入国管理局長がした出入国管理及び難民認定法49条1項に基づく異議の申出が理由がない旨の裁決及び入国管理局主任審査官がした退去強制令書発付処分の各取消請求につき,本邦に入国する際,入国審査官に対し,自己が日本国籍を有する者であるとして日本国旅券等を提示することなく,外国国籍を有する者として外国政府発行の旅券を提示して上陸の申請をした者については,同人の日本国籍取得要件事実が存在しないことが事実上推定され,同事実は,同人自身や尊属に関する事実であって,同人の側により多くの情報や証拠が存在しているのが通常であることも考慮すれば,前記推定を覆すためには,同人において,自己の各日本国籍取得要件事実がいずれも存在する蓋然性があることを自ら主張立証しなければならないとした上で,前記の者の母が国籍法(昭和59年法律第45号による改正前)2条3号にいう「父が知れない」といえる蓋然性があるとはいえない以上,同母について日本国籍取得要件が充足されている蓋然性があるとはいえず,したがって,前記の者の日本国籍取得要件事実たる同号にいう「母が日本国民である」事実が存在する蓋然性が立証されているとはいえないから前記推定は覆らないとして,いずれも棄却した事例
- 全文