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行政事件 裁判例集

事件番号

 平成23(行ウ)33

事件名

 議決取消請求事件

裁判年月日

 平成24年1月19日

裁判所名

 名古屋地方裁判所

分野

 行政

判示事項

 市長が作成,提出した総合計画の議案について議会がした修正議決が議会の権限を超えるものであるとして,市長が同議会に対してした地方自治法176条7項に基づく同議決の取消請求が,棄却された事例

裁判要旨

 市長が作成,提出した総合計画の議案について議会がした修正議決が議会の権限を超えるものであるとして,市長が同議会に対してした地方自治法176条7項に基づく同議決の取消請求につき,地方自治法(平成23年法律第35号による改正前)96条2項に基づき,総合計画の策定,変更又は廃止を議会の議決事項と定める旨の市会の議決すべき事件等に関する条例(平成22年名古屋市条例第1号)は,総合計画の策定に係る議案の提出権を市長に専属させる趣旨であると解されるところ,同条例は,市長から総合計画の策定に係る議案が提出された場合において,議会がその内容を一部修正して議決することを当然許容しているものと解されるが,議会が無制限な修正を行うことができるとするならば,前記趣旨を没却することになるので,議会による修正には制約があるものと解すべきであり,市長から提案された総合計画に定める施策の基本的な方向性を変更するような修正を行うことは前記趣旨を損なうものとして許されないとした上で,前記議決による修正は,表現振りを修正するにとどまるものなど,市長から提案された総合計画に定める施策の基本的な方向性を変更するものとはいえず,前記趣旨を損なうものではないから,議会の修正権の範囲を超えるものとは認められないとして,前記請求を棄却した事例

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