裁判例結果詳細
行政事件 裁判例集
- 事件番号
平成22(行ウ)725
- 事件名
所得税更正処分取消請求事件
- 裁判年月日
平成24年10月11日
- 裁判所名
東京地方裁判所
- 分野
行政
- 判示事項
シンガポール共和国において設立された外国法人の株式を保有する者に対し,前記法人が租税特別措置法(平成17年法律第21号による改正前又は平成18年法律第10号による改正前)40条の4第1項の特定外国子会社等に当たるとして,前記法人の課税対象留保金額を前記保有者の総収入金額の額に算入してされた,所得税の更正処分のうち確定申告額を超える部分及び過少申告加算税の賦課決定処分が,いずれも違法とされた事例
- 裁判要旨
シンガポール共和国において設立された外国法人の株式を保有する者に対し,前記法人が租税特別措置法(平成17年法律第21号による改正前又は平成18年法律第10号による改正前。以下同じ)40条の4第1項の特定外国子会社等に当たるとして,前記法人の課税対象留保金額を前記保有者の総収入金額の額に算入してされた,所得税の更正処分のうち確定申告額を超える部分及び過少申告加算税の賦課決定処分につき,同項の適用除外の要件を定める同条4項にいう「主たる事業を行うと認められる事業所,店舗,工場その他の固定施設を有している」といえるためには,当該特定外国子会社等が,主たる事業の業種や形態に応じた規模の固定施設を賃借権等の正当な権原に基づき使用していれば足り,固定施設を自ら所有している必要はなく,また,同項にいう「その事業の管理,支配及び運営を自ら行っている」といえるためには,前提として,事業を行うために必要な常勤役員及び従業員が存在していることが必要であり,かつ,特定外国子会社等の株主総会及び取締役会の開催,役員としての職務執行,会計帳簿の作成及び保管等が行われている場所等を総合的に勘案し,特定外国子会社等の業務執行に関する意思決定及びその決定に基づく具体的な業務の執行が親会社等から独立して行われていると認められるか否かについて判断することが必要であるとした上,前記法人は同項の要件を全て満たすから,その課税対象留保金額は前記保有者の雑所得の金額に算入されないとして,前記各処分をいずれも違法とした事例
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