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最高裁判所判例集

事件番号

 平成24(受)349

事件名

 未収金請求事件

裁判年月日

 平成25年6月6日

法廷名

 最高裁判所第一小法廷

裁判種別

 判決

結果

 棄却

判例集等巻・号・頁

 民集 第67巻5号1208頁

原審裁判所名

 大阪高等裁判所

原審事件番号

 平成23(ネ)1492

原審裁判年月日

 平成23年11月24日

判示事項

 1 いわゆる明示的一部請求の訴えに係る訴訟において,債権の一部消滅の抗弁に理由があると判断されたため判決において上記債権の総額の認定がされた場合における,残部についての消滅時効の中断
2 いわゆる明示的一部請求の訴えの提起と残部についての裁判上の催告としての消滅時効の中断
3 消滅時効期間の経過後,その経過前にした催告から6箇月以内にした催告と消滅時効の中断

裁判要旨

 1 数量的に可分な債権の一部についてのみ判決を求める旨を明示した訴えに係る訴訟において,債権の一部が消滅している旨の抗弁に理由があると判断されたため,判決において上記債権の総額の認定がされたとしても,当該訴えの提起は,残部について,裁判上の請求に準ずるものとして消滅時効の中断の効力を生ずるものではない。
2 数量的に可分な債権の一部についてのみ判決を求める旨を明示して訴えが提起された場合,債権者が将来にわたって残部をおよそ請求しない旨の意思を明らかにしているなど,残部につき権利行使の意思が継続的に表示されているとはいえない特段の事情のない限り,当該訴えの提起は,残部について,裁判上の催告として消滅時効の中断の効力を生じ,債権者は,当該訴えに係る訴訟の終了後6箇月以内に民法153条所定の措置を講ずることにより,残部について消滅時効を確定的に中断することができる。
3 消滅時効期間が経過した後,その経過前にした催告から6箇月以内に再び催告をしても,第1の催告から6箇月以内に民法153条所定の措置を講じなかった以上は,第1の催告から6箇月を経過することにより,消滅時効が完成し,この理は,第2の催告が数量的に可分な債権の一部についてのみ判決を求める旨を明示して訴えが提起されたことによる裁判上の催告であっても異ならない。

参照法条

 (1〜3につき)民法147条1号 (1につき)民法149条,民訴法147条 (2,3につき)民法153条

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